【HQ】スガワラ君受けを狙う腐男子君の暴走

し ページ28

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｢きっきききき潔子さんのカレー！！｣
｢オカワリします！！俺！絶対！！｣
｢それ、半分は冬郷が作った。｣
｢ハ！？冬郷てめぇ抜け駆けか！！？｣

ああ、猪突猛進組がきゃいきゃいと騒いでいてうるさい。可愛い、可愛いけどそれとこれは別。結構疲労の溜まってる俺に絡まないでくれ、うっかり愛でちゃうだろ。チカちゃんしか知らない秘密をこんな所で大公開する事になるのは勘弁願いたい。兎も角、静かに飯を食わせてくれ。
抜け駆け抜け駆け、と騒ぐノヤっさんと田中さんに目を向け、自分から標的を移すべくサラダを指さした。

｢サラダは清水先輩手ずから、切るとこから盛り付けまで全部してくれましたよ。なのでちゃんとサラダも食べて下さいね。｣
｢なにィ！？それはサラダメインで食べるしかないな、龍！！｣
｢勿論だぜノヤっさん！！潔子さん手ずからお作り頂いたサラダ……！食べねぇわけにいくか！！｣

綺麗にサラダに飛びついた彼らを見て、単純、と思ったのは秘密だ。その単純さが彼らの良いところであり可愛いところなのだから。ふ、と頬を緩めてその光景を見ていると、なにやら背筋を這うような寒気が身体を襲った。ぶるり、身体を震わせる。一瞬の事であったし、皆は特に寒さを感じていない様であちこちからきゃいきゃいとはしゃぐ声が聞こえる。もしかしたら汗が変に冷めてしまったのかもしれない。風邪を引く前に風呂に入りたい。

全員着席し、いただきますをした。1度鎮まったその空間は再び騒がしさに包まれ、わいわいと話ながら皿の中身を減らしていく。俺の右隣にはスガさん、左隣にはツッキーがいて、スガさんの隣は大地さんだ。ツッキーの隣は言わずもがな山口。向かいには2年生ズが並んで座っていて、俺の正面はチカちゃんだった。

｢大地ぃ、俺のトマトない。｣
｢ん、取ってやるから皿だしな。｣
｢うーん、でもこれドレッシングついてるしなぁ……あ！大地、あーん。｣
｢ゴフッ、！｣
｢っゲホ、｣

甘えるように大地さんの方へと身を乗り出し、ぱかりと口を開けるスガさん。その光景にチカちゃんと俺は盛大に噎せた。嘘だろ尊すぎる。それを真横でやってくるなんて。公式からの供給過多過ぎて死んでしまう。大菅ありがとうございます。
仕方ないなぁと柔らかく笑った大地さんがスガさんの口にトマトを放り込み、それを嬉しそうに咀嚼するスガさんという光景はもはや目に毒だった。尊いあまりに叫びそうになるのを抑える。んﾞんっ、と変な唸り声が出た。


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