いち ページ2
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｢……からすの、こうこう。｣
スクールバッグから出てきた生徒手帳にはしっかりと烏野高校と印字されている。見覚えがありすぎて目眩がした。やはり、2次元に来てしまったのだろうか。達筆に印字されたその隣には今の俺が死んだ顔で写っている。笑えよ、俺。
それにしたって、烏野高校。俺の愛する大天使スガエルこと菅原孝支の、居る。それでなくても俺はハイキューは全員大好きだし、推しだし、全員にそれなりに金を切り崩して来た程だ。嬉しくないわけがないけれど、でもやっぱり困惑のが勝っている。今の状況がちゃんと把握出来てない以上、手放しに喜ぶことは困難だった。
｢ヒェ、おぉ…………もしもし、｣
『もしもしー？どう、一人暮らし順調？』
｢え、あ、ウン……｣
突然鳴り響く着信に肩をビクリと跳ねさせる。慌ててスマホを見れば、ディスプレイに母親の名前。おそるおそる通話に出ると、いつもの母の声がした。寝て起きたら一人暮らしをする事になっていた、なんて意味がわからないが、俺はもう呆然としたまま相槌を打つ。
『そういえばあんた、部活入りなさいよ？1年は全員部活に入る事って催促の手紙届いてたんだから。』
｢……わかった。｣
『あんた友達作るの下手くそだから心配だわ。教室でも浮いてたりしない？』
｢……多分。大丈夫。｣
暫く親特有の子供の心に刺さる様な話が続いたが、俺の気持ちはどこかふわふわとしていて現実味がない。これを現実として理解はしているはずなのだが、実感がわかないのだ。高校に行ってみたらまた違うのだろうか。おざなりな返事を返す息子に呆れたのか、気づいたら通話は終わっていた。突然宮城に行きたいって言い出したのはあんたなんだから、という母の言葉を反復し、やっぱりあの烏野高校なんだろうな、と独りごちた。
｢……寝よ。｣
もしかしたら寝て起きたら戻ってるかもしれない。そんな思いで布団に潜り、枕に頬を擦りつける。これは夢、夢。やけにリアルな夢。念じているうちに思考が溶け、緩やかに眠りに落ちていった。
朝6時、爽やかな小鳥のさえずり。
目を覚ました視界には見慣れなくとも昨日と同じ部屋が映る。頬を摘んでも痛覚は正常に働いた。
結論。夢じゃなかった。
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モブ - 今、更新はして無いんですか？すっごく好きな小説です！ (2020年8月20日 19時) (
レス) id: 66352f2bb5 (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - ゆきねこ。さん» ちまちまでも嬉しいです…！！いつまでも待ち続けます！！急かすような言動失礼しました…(汗) (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - つむ狐さん» ちまちまですが更新していきます！だいぶ亀ですがお待ちいただけたら幸いです〜！ (2020年4月16日 0時) (レス) id: 3dc1d9999b (このIDを非表示/違反報告)
つむ狐(プロフ) - めっちゃ面白くて好きです！もうこの小説は更新されないのでしょうか…？ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 3fb52abb2a (このIDを非表示/違反報告)
あずき♪（チームあみ） - 失礼します 夢主が腐男子は神でした。すごい面白いです！！！頑張ってください (2020年3月11日 9時) (レス) id: ab8cadff73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月3日 7時
