轟から飯田へ �� ページ47
.
｢下がれ緑谷！｣
｢ひえ！｣
ヒーロー殺しを引っ張り、俺らから遠ざけようとしてくれていた緑谷が突き飛ばされる。ごろりと地面に転がった彼をヒーロー殺しから遠ざけるべく、思い切り氷結を繰り出した。
ギリギリ緑谷が回避してくれたおかげで、彼を凍らせることこそなかったが、同時に退いたヒーロー殺しのことも凍らせることは叶わない。クソ、あいつの素早さは厄介だ。
｢血を摂り入れて動きを奪う…僕だけ先に解けたってことは、っげほ、……っ考えられるのは3パターン。人数が多くなる程効果が薄くなるか摂取量か…血液型によって効果に差異が生じるか……｣
｢血液型…俺はBだ。｣
｢僕はA……｣
緑谷の分析に、プロヒーローと飯田が答える。緑谷はOらしい。わかった所でどうにもならないが。ヒーロー殺しが、血液型が正解だと呟いた。ふぅん、と興味なさげに返したのは、今まであまり言葉を発さなかったAだ。そうだ、こいつ俺の事庇って。慌てて緑谷の隣に立っているであろうAの方を見る。
｢はー、いってぇ。痕ンなったらどうしてくれんのよー？｣
｢Aくん…！血、が、！｣
平然とした顔でぶっ刺さっていたナイフ3本を抜いて地面に放ったAを唖然と見る。緑谷は真っ青な顔で、何で抜いたの、と震える声で問うた。
｢何でって……邪魔だし。それよりお話してる暇無いよ。俺が倒れる前に何とかしたいんだからさぁ。｣
｢シャレにならないよ……！｣
平然としている様に見えて、実の所少しヤバいのだろう。彼はへらりと笑った後、きつく睨む様にヒーロー殺しの方を向いた。緑谷も釣られたように其方を向くが、Aの言葉に引き攣った様な声で答える。本当にシャレにならねぇ、深く刺さった刃物を自分で抜くなんて。ヤバい血管傷つけるかもとか、考えねぇのか。思わず溜息を漏らし、俺も2人と同じ方を見据えた。
｢……さっさと2人担いで撤退してえとこだが…氷も炎も避けられる程の反応速度だ、そんな隙見せらんねえ。｣
｢プロが来るまで、近接を避けつつ粘るのが最前だと思う。A君は血を流しすぎてるし……轟くん、僕が奴の気を引きつけるからA君と一緒に後方支援を！｣
｢相当危ねぇ橋だが……そだな。守るぞ、俺らで。｣
｢3対1か……甘くはないな。｣
飯田。兄貴がやられてからのおまえが気になった。恨みつらみで動く人間の顔なら、よく知ってたから。そういう顔した人間の視野が、どれどけ狭まってしまうのかも知っていたから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゃがりこ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年11月4日 15時) (
レス) id: f3618771b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - ゆーとさん» ああ、ごめんなさい！教えて下さりありがとうございます！ (2018年9月27日 15時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーと - とても面白く、一気読みさせていただいているのですが、Re:インゲニウム�△�｢OはOでも〜｣とありますが、AOはA型、BOはB型になり、O型になるのはOOだけですよ (2018年9月27日 15時) (レス) id: f375cefe03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございますー！そう言って貰えて嬉しいです…！頑張ります！ (2018年4月30日 21時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - いいところで…！！！夢主くんの性格大好きです！！今後どーなるのか気になります！更新楽しみにしてます！！ (2018年4月30日 21時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月23日 2時
