緑谷とエンデヴァー ページ1
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｢負けてしまった。｣
｢…………れ。｣
ぽかんとした顔のデクくんが此方に寄ってくる。私は体操服の上とポーチを机に置いた。Aくんが気を使ってくれたのか、椅子から立ち上がる。
｢最後行けると思って調子乗ってしまったよ。くっそーー…｣
｢麗日さん……ケガは…大丈夫？｣
｢うん、リカバリーされた！体力削らんよう程々の回復だから、すりキズとかは残ってるけど。｣
笑顔を努め、デクくんの言葉に答える。デクくんみたいに成りたかったのに、なぁ。ぶんぶんと拳を振り、元気に言葉を紡ぐ。
｢いやぁー、やっぱ強いねえ爆豪くんは！完膚なかったよ。もっと頑張らんといかんな私も！｣
｢………大丈夫…？｣
｢大丈夫！意外と大丈夫！デクくんだってすぐ先見据えてやってるし…負けたからって負けてられんよ。｣
｢……そんな、｣
デクくんが何か言い掛けた時、マイク先生の2回戦に入るという実況が響いた。デクくんは初戦だ。一気に緊張した顔になるデクくんが、控え室を出て行こうとする。ああ、私おったからデクくん全然準備出来なかったんだ。なんだか申し訳ない気持ちになりつつ手を振る。
｢見とるね、頑張ってね。｣
｢俺も見てるよ〜。頑張れ。｣
デクくんが控え室を後にする。振っていた手を下ろし、少し俯く。悔し、かったなぁ……。
｢……麗日さん。｣
｢あ…Aくんも2回戦あるよね！私見とるから！｣
｢うん、ありがと〜。……おいで。｣
｢……っ、｣
ありがとうと笑ったAくんが、両腕を控えめに広げておいでと言った。彼は本当にずるい。先程まで抑えていた気持ちが爆発して、思い切り抱きついた。
｢う、ぅ……っ…！｣
｢よしよし。よく頑張りました。｣
はなまるぴっぴ。そう言って撫でてくれた彼の手が、抱き締め包んでくれた少し力の篭った体温が、じんわりと心に染みていく。勝ちたかった。デクくんみたいに、自分の知識で。自分の力で。父ちゃんと母ちゃんに楽させたげるって、約束したんだ。早くそれを実現出来るように成りたいのに。
勝てなかった。
大声をあげて泣く私を、お疲れ様、かっこよかったよと言って只管抱き締めてくれたAくんの声は、誰よりも安心した。
｢いや〜…お恥ずかしい。お騒がせしました。｣
｢んーん。落ち着いた？｣
｢うん、すっきりした。……あ！父ちゃんから電話来てたんやった！｣
一頻り泣いたお茶子ちゃんは、照れくさそうに頭を掻いた。目が腫れているから、後でアイスノンでも持たせよう。
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じゃがりこ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2018年11月4日 15時) (
レス) id: f3618771b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - ゆーとさん» ああ、ごめんなさい！教えて下さりありがとうございます！ (2018年9月27日 15時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーと - とても面白く、一気読みさせていただいているのですが、Re:インゲニウム�△�｢OはOでも〜｣とありますが、AOはA型、BOはB型になり、O型になるのはOOだけですよ (2018年9月27日 15時) (レス) id: f375cefe03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございますー！そう言って貰えて嬉しいです…！頑張ります！ (2018年4月30日 21時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - いいところで…！！！夢主くんの性格大好きです！！今後どーなるのか気になります！更新楽しみにしてます！！ (2018年4月30日 21時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月23日 2時
