目指すところは �� ページ15
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驚いた。こんな身近にも大切な人を喪った同じ境遇が居るのか。でも確かに、あれだけ大規模な被害だったのだから、居てもおかしくは無い。現に沢山の人が亡くなった事件だ。
｢先生聞いたよ。Aくんは、お母さん助ける為に現場に乗り込んでったんでしょう？｣
｢…誰から、｣
｢現場に行ったっていう、ヒーローさんから。｣
思わず舌打ちしそうになった。救えなかった事を掘り返されて、どんどん嫌な感情が渦巻いていく。この人はつまり、何が言いたいんだ。
｢凄いなって思った。女の子も助けたんだって聞いて、私とは全然違うなって思った。その子、助かったって。｣
｢…でも、母も父も助ける事は出来ませんでした。｣
｢それでも。私は、夫の事を助けに行きもせず、帰って来てくれるって信じて家で待ってたもの。｣
それが普通だ。先生は自分を責めるべきじゃない。信じて待つのだって凄く勇気のいる行動だ。ましてや、俺みたいに自分本位で現場に乗り込むなんてヒーロー達の救助活動を邪魔する事になりうる。
｢Aくん、言ってたよね。将来ヒーローになるんだって。周りの子達が言ってたからじゃなくて、本当にそう思ってるんでしょ？｣
｢………｣
｢Aくんの助けた女の子は、誰よりも貴方をヒーローだと思ってる筈だよ。｣
そんな、そんな気休めを言って欲しくて学校に行かないのではない。それに、俺はあの女の子にヒーローだなんて言って貰える資格は無いのだ。それだけの事を心の中で思ってしまったから。
｢先生はね、Aくんなら誰よりも立派なヒーローになれると思うよ。｣
｢やめてください！………すみません、今日のところは帰って下さい。｣
思わず怒鳴ってしまった。それでも真っ直ぐ此方を見つめる先生へ帰るよう促し追い出す。そのまま厳重に玄関を閉めた。
｢卒業式は2月18日。皆も先生も、待ってるから。｣
そう扉を挟んで言った先生の気配は、暫くすると完全に消えた様だった。詰めていた息を思い切り吐いて、ズルズルとその場にしゃがみ込む。さっきは気休めだと思ったが、先生の目は真っ直ぐ此方を見つめていた。要するに、甘ったれるなと言っているのだ。自分は頑張って生きる事にしたのだから、お前も頑張れと。その通りだ。俺は甘ったれている。
だけど、2度目の人生でこんなに早く親を喪うなんて、思っていなかった。今度こそ天寿を全うして欲しかった。………独りに、なりたくなかった。
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ゆきねこ。(プロフ) - シロさん» 続編でもよろしくお願いします(*´ω｀*)励みになります！！ (2018年2月10日 9時) (
レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - hshs(*´Д｀≡´Д`*)hshs ヤバい、ヤバい、興奮し過ぎて、ﾌｵｵｵ(^q^三^p^)ﾌｵｵ (2018年2月10日 5時) (レス) id: 55b0e9cf98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ。(プロフ) - ナマコカードさん» 大丈夫ですよ！これからも読んで下さると嬉しいです(´ω`) (2018年2月7日 22時) (レス) id: 819d312a56 (このIDを非表示/違反報告)
ナマコカード - すみません、設定できたのですね。気づきませんでした。すみませんでした。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
ナマコカード - (名前)(名前)だと→【例】ひろしひろし という名前になってしまうので、(人1)で苗字を設定させるか、固定させた方がいいと思います！ (2018年2月7日 18時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月2日 16時
