其の五十八 ページ9
愛染side
はっ、と目を開ける。
時計を見て時刻を確認する。
時刻は六時。
寝てしまったか…
其の時、ドアが控えめにノックされた。
貴「…誰だ」
黒「瀬田です。お呼びにあがりました」
私は立ち上がってドアの鍵を開けた。
貴「態々済まないな」
瀬「いえ」
こちらです、と言われ大人しく着いていく。
数分歩き、私は声をかける。
貴「ところで。」
瀬「はい」
瀬田というやつはにっこり笑って振り向いた。
貴「いつになったら”其処”に着くんだ」
瀬「…どういうことですか」
あくまで笑顔は崩さない。
貴「…それで通す心算か」
瀬「何のことでしょうか」
貴「…誰の差し金だ?それとも単独か」
相手の纏う空気が変わった。
瀬「…上が居ることは明かしておきましょうか…ただ、今回の計画は私の”担当”なもので」
貴「まあそんなところだろうとは思っていたが。」
瀬「部下の名前と顔など覚えていないかと」
貴「生憎全員覚えている。死んでいった者の顔も一時たりとも忘れたことなどない」
瀬田はにやりと笑い、懐からナイフを取り出した。
瀬「真っ向から体力勝負は嫌なものでね」
まっすぐ私のほうへ駆けてくる。
貴「そうか…ならば気が済むまで相手をしよう。」
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作者名:さくらもち | 作成日時:2018年9月9日 21時