其の七十六 ページ27
No side
どこからともなく谷崎の声が聞こえ、樋口は少しばかり混乱する。
谷〈もうお前にボクは見えない〉
樋「しかし……
姿は見えずとも弾は当たる筈っ!」
谷「大外れ」
樋口のくじに手が伸び、華奢な首を締め付ける。
小さく呻き声を漏らす樋口。
貴「……これは見過ごせないな。」
だが、次の瞬間谷崎がふらり、と倒れた。
そして……黒刃が舞い踊った。
芥「死を怖れよ
殺しを怖れよ
死を望むもの
等しく死に、望まるが故に___」
敦の脳内に、国木田の言葉が再生される。
〈こいつには遭うな。遭ったら逃げろ〉
敦「な__」
芥「お初お目にかかる。
我が名は芥川
そこな小娘と同じく卑しきポートマフィアの狗……」
と、若干咳き込みながら言う芥川。
樋「芥川先輩!
ご自愛を___此処は私一人でも」
次の瞬間、樋口の眼鏡が吹っ飛んだ。
芥「人虎は生け捕りとの命の筈。
片端から撃ち殺してどうする」
役立たずめ、と吐き捨てるように言う芥川と、うつむく樋口。
樋「済みません……」
敦「人虎………?
生け捕り………?
あ、あんたたち一体……」
いつの間に降りたのか、愛染が敦に向かって言う。
貴「元より私達の目的は
貴様一人だ。人虎よ……
そこに転がるお仲間は
まぁ…貴様の巻き添えと言ったところか」
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作者名:さくらもち | 作成日時:2018年9月9日 21時