其の六十 ページ11
No side
瀬田の声が廊下に響く。
それを無表情で見る芥川と愛染。
貴「虐めるな。可哀想だろう」
決して噛み千切らず、食い込み続ける。
死ぬに死ねないこの状況は相手にとっては地獄でしか無いだろう。
貴「済まんな……生憎この後任務が入っていてな。ゆっくり相手ができないようだ。
……この組織に喧嘩を売ったことを後悔することだな」
周りの空気が凍りついた瞬間だった。
最後の一言を言ったときの愛染の目には感情という感情が全て剥がれ落ち、只々無が広がっていたという。
横にいた芥川は愚か、影で見ていた樋口、中原までもの背中に悪寒が走った。
そして。そのさっきをまともに食らった瀬田は、先程まで騒いでいた口は塞がらず、ついさっきまでの威勢はどこかへ飛んでいってしまったかのように震えるばかりだった。
貴「さて……放っておけば死ぬだろう。行こう。……ああ、外套を取ってくる。待っててくれ」
芥「っは……わか、りまし、た…」
その後も任務を淡々と熟す愛染だったが、
その目には一切の感情が抜け落ちていたんだとか。
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作者名:さくらもち | 作成日時:2018年9月9日 21時