今日の敵は明日の友【wrwrd】【らっだぁ運営】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:899 hit

ストーリー［1］ページ3

「はへ～疲れたぁ～」

天を仰ぎながらそう叫ぶ彼。いやあんた今日ほとんど何もやってないやろ！という俺の心の叫びは聞こえているのか否か…

「あ、そうや大先生。昨日渡した書類の整理してくれた？」

「そうや、まだしてへんわ。忘れとった」

「お前なあ…」

ほんまこいつしばいたろか思うわ。うん。

俺はそんな大先生の呑気さにひとつため息をつく。そんなことは全く気にしていない大先生を横目でチラッと見ると、今度はあくびをしていた。
ほんま呑気なやつやなぁ…まあ、それが彼の良いところでもある____はず。

長い廊下を歩きながら、俺たちは総統室へと向かっていた。

「あ、そうやトンち。もうそろそろ建国記念日の準備に取り掛かろうと思ってるんやけど、相談したいことあるし、この後時間あいてるんやったらその時に喋ってもいい？」

珍しく大先生から仕事の話を切り出してくる。さっきまであんなマイペースな感じやったのにな。

俺はそんな大先生に「あぁ、空いてるで」と言い、軽くだが記念日で何をするのか教えてもらった。

「なるほどなあ…誘う国はどうすんねん。さすがにピリピリしてる国はやばいと思うしな」

「そうやねんなぁ…そこが今一番の問題点…それを相談しようと思っとってん」

大先生が口元に手を持ってきて「うーん」と考える。

今この国は2つの国と不仲なのである。

ひとつは現世界の王と呼ばれるA国。彼らとは幾度となく外交を重ねてきたが、向こうは友好的にしたくないらしく、ちょくちょくこちらの外交官にちょっかいを仕掛けてきた____まあ、うちの外交官もバカじゃないのでそれらのひとつにも乗っかったことはない。

そしてもうひとつは"R国"と呼ばれる情報の宝物庫。戦力としてはそこそこで____とは言っても俺らに並ぶか並ばないか程度なので十分であるのだが____尚且つA国やこの国ほど大国ではない。しかし、豊富な知識と情報量がそれらを上回り、国を有利に動かしているのだ。そんなR国との関係もうまくいっていない。

現段階で絶賛喧嘩中のこの２国を、俺らの建国記念日パーティーにに呼ぶか否かを、大先生は悩みに悩んでいるということだ。

「まあ、そのあたりはまたグルさんとも相談してみなわからんな」

「そうやなぁ…行くついでに聞くわ」

そんな会話をしている間に、もう総統室の前へと着いてしまった。