硝子玉のリクイッド JW紫×桃♀ (ページ10)

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No.10 ページ10

「あっ、濵田さんもう、着いてる
でも、今日は走ったらんし」

待ち合わせの場所、今日は初めて会った時のようにオシャレなスーツを着こなした濵田さんが佇んでいる

そばまでゆっくりとした足取りで進み、声をかける

「濵田さん、お待たせしてすみません」

私の声に振り返り、ほんの一瞬だけ目が鋭くなり、すぐにいつもの柔和な笑みを浮かべる

「望、綺麗やで…ホンマに」

「それはおおきに、ドレスアップしてきたんやから、きっちりエスコートしてや」

「もちろん、お姫様」

そのまま恭しく手を取られ、甲に一つキス

そして少しだけニヤリとされ、濵田さんの腕にその手を誘導され二人で歩き出す

「で、今日はどんなパーティーなの？
パートーナーが同伴じゃなきゃダメなパーティーなんでしょ、それって濵田さんにとってかなり重要なパーティーって事よね」

「ん？望、何言うてるん、パーティーって」

「えっ、今日、私を誘ったのはパーティーのパートーナーをして欲しいからじゃないの？」

「誰がそんなこと言ってん、俺は純粋に望をデートに誘ったんやで」

噛み合わない会話

でも、足取りは止まることなく、濵田さんに連れられるように進んでいく