手を取りあって JW 橙×黄＋赤

No.9 ページ9

「どういたしまして
あっ、そや、中間さんには雑炊作ってん
どんなやろ？食べれます？」



「あっ、少しなら…」




家に帰ってから深く眠りについたからか、少し体が軽くなり食べられそうな気がした





「ほんなら用意するな、座ってて
その間に大毅くんはお風呂入る用意しよな
自分でパジャマ持ってこれるか？」



「そんなん出来るで〜やって俺、ええ子やからな！」




ハンバーグを平らげた大毅がいそいそとお風呂の準備を始める


流石というか、やっぱり保育のプロやなと思う



俺もあんな風に出来たら、大毅にも苦労させへんのにな



そんな思いが込上がってき

また涙腺が緩みそうになる




「はい！温めたで！って中間さん…
また、変な事考えてるやろ」



「ふっ…グスっ…」



「あーもう！泣かへんの！
俺が大毅くんに怒られてまうやろ
ほら、冷めへんうちに食べてな
俺は風呂入ってくるから
この涙の訳は大毅くんが寝たらな」




なんて涙を指で拭われ、ポンポンと頭を撫でられる




あっ、これ…


なんやろこの前も思ったけど

この優しい手は俺の心をあたたかくしてくれる


その心地良さに目を瞑っていると、照史先生が席を立つ




「じゃ、無理せずに食べれるだけ食べといてくださいね
俺は大毅くんと風呂入ってくるから」




その声にコクコクと頷き、目の前の雑炊に手をつける




「……おいしっ…」



照史先生の笑顔みたいに優しい味がした

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