恋せよ乙女壱 JW青×緑♀ (ページ13)

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No.13 ページ13

あの朝食を作った日から

『旦那様の食事の用意をする』

それがこの御屋敷での、私の仕事になった

朝は少しだけ早起きをして朝食を用意する

そしてそのまま玄関から『行ってらっしゃいませ』と送り出す

夕飯も最近はお仕事が落ち着かれているのか、夕刻には帰って来られるので、二人で向かい合って私の作った料理を食べる

相変わらず口数は少ないが、婚礼の日に感じた何を考えているか分からない、ガラス玉のような血の通っていない目を見る事はなくなった

そんな些細な事やけど、二人でご飯を食べる日々が嬉しかったりもする

「今日も美味しかった…
この後、俺の部屋に来てくれるか？
少しだけ用がある」

いつものように夕飯を食べ終わった後に
、旦那様にそんな事を言われる

「あの…えっと…」

「部屋におるから」

初めて言われる事に返事に困り、口ごもっていると、そのまま、ご自分の部屋へと向かわれ一人になる

旦那様が出ていった扉を見つめながら不安げな声がこぼれた

「行かへんとあかんよな…
でも私に何の用やろ、食事もう作らんでええって言われるんかな…
それとも出ていけって言われるんかな…」

考えれば考えるほど否定的な思いが浮かんでくる

でも、旦那様に呼ばれて行かないという選択肢はない

一度大きく呼吸をして、旦那様の後を追うようにして扉に手をかけ目的地を目指す