格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.35 ページ34

「嫌やないよ…

流星は優しいから」

 
 

「ありがとう…とも」

 

 

そうしてしばらくの間、抱き合いお互いの体温を感じる

 


 

流星の指が俺の髪の毛を、梳くように撫で

そのまま、耳、頬と順に滑り

 

最後に唇に触れる

 

 

「とも…ここが欲しいって言ったらアカン…」

 

 
 

「………

また、黃珀姐さんに秘密事が増えてまうね

俺と流星との秘密事」

 


 

 

「そうやな…

ともと俺の、二人だけの秘密事」

 
 


 

愛おしい

 

瞳がそう語っているように見えるのは

俺の都合のいい解釈なんやろか

 

 

  

 

そのまま、身を任せるように目を閉じる

 




ゆっくりと唇を重ねる

 

 

本当に一瞬のそれ

 



でも、流星の唇に触れた自分の唇が

燃えるように熱く感じた

 

 

「俺の初めて

流星に貰われたね」

 

No.36→←No.34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す