格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.25 ページ23

そこから二人でとめどない話をした


 

 

流星のおうちは、両替屋さんを営んでいて

そこの、跡取り息子さんなんやって

 

今日は本当は、お父様が淳太くんのお客様と、ここに来る予定やってんて

 

 

やけど、出かける直前にぎっくり腰で動けなくなってまって

 

お父様の代わりにここに来たんやって

 

 

 

 

 

「ぎっくり腰になった親父には申し訳ないけど

今は感謝やな

やって緑翠に会えたから…」

 

 



 

「クスクス…もう、お父様に怒られてまうよ」

 

 

 

すっかり口調も砕け

 

冗談も二人して言い合えるまでに短い時間で打ち解けた

 

 

 

 

「緑翠が黙っていてくれたら大丈夫やろ」

 


 

ペロッと舌を出しいたずらっ子のような表情を見せてくれる

 

 

 






 

『ふっ…あん…』

 

 
 

 

「「…………………」」
 

 

隣から淳太くんのそういう声が聞こえてきた

 

 

 

少し気まずい空気が流れる

 

 

 

 

「あの、その…」

 

 

 

 

「流星、私の部屋に来る？

あっ、もちろん内緒やで

見つかってまうと大変なことになるから」

 

 

 

 

「俺が行ってもええの？」

 

 

 

 

 

「ここに二人でおるのは、ちょっとな…

特別やよ」

 

 

 

 

 

ほらっと言って流星の手を引いて部屋を後にする

 

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