鬼 ページ3
目が覚めるとすでに冨岡さんは起きていた
まだ眠そうに細い目がこちらをじーっと見てる
貴「おはようございます。もしかしてずっと見てたんですか?」
冨岡さんは何も言わないで首を縦に振る
本当に何を考えているか分からない…
身支度をし、立ち上がろうとすると
貴/冨岡「?!」
鬼の気配……!
冨岡「行くぞ」
日輪刀を持ち一直線に走る冨岡さんを私は追いかける
若干(じゃっかん)、人間の匂いもした
助けなければ…
ーーーーーーーーーーー
貴「っ!」
全速で走った先に見えたのは
赤髪の少年と、少年に乗っかかって涙を流している鬼の少女
泣いて……いる…
しかしそんなことお構い無しに私達は襲いかかる
鎌に手をかけ一気に振り下ろした瞬間…
ドンッ!!
貴/冨岡「…?!」
少年が少女を庇うように押した
冨岡さんの凪の風が少年たちを転がす
冨岡「…何故庇う」
私は鎌を再び背中に背負い少年少女の様子を見る
炭治郎「妹だ!…俺の妹なんだ!」
少年がそう言うとまた少女が暴れ出す
一生懸命、妹の名前を呼び宥(なだ)めようとする少年
とても焦っている
鎌…そして刀を見て普通ではないと思ったのだろうか
冨岡さんは後ろにいる私の方を一瞬振り返る
何も読み取れないその目は、再び少年に向けられた
冨岡「それが、妹か」
そう言い捨て、冨岡さんは真っ直ぐに走る
目にも止まらぬ速さで禰豆子と呼ばれていた鬼を捉えた
それに気付いた少年は目を見開き立ち上がろうした
冨岡「動くな」
俺たちの仕事は鬼を切ることだ、と少年に向かって言い放つ
炭治郎「待ってくれ!禰豆子は誰も襲っていない!!」
必死に悲願する少年。
私はふと少女を見た
この子は……さっき泣いていた
自分と戦うように
1人で考えていると、いつの間にか少年は土下座をするようにうずくまっていた
炭治郎「お願いします……妹を殺さないでください」
泣き声混じりに言うその言葉は冨岡さんを刺激したようだ
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作者名:雪菜 | 作成日時:2019年8月19日 23時