柱最強の女_第8章

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刀を腰に下げこちらを見つめる冨岡

頭を撫でてくれる鱗滝

優しい顔の珠世と舌を出す愈史郎

小さな花束を持ち笑う善逸

どんぐりを沢山くれる伊之助

病の進行した御館様、腕から血を流す不死川

それを見つめるように並ぶ柱達

箱の扉が開き見えるカナヲやアオイ達の笑顔


胡蝶「見ますか？...金魚」と優しく言う胡蝶


こちらを振り返る煉獄

血を流しながらも笑顔で笑う宇髄と嫁たち

刀鍛冶の皆と微笑む玄弥

相手をしてくれ笑顔を向けてくれた甘露寺

鴉を腕に乗せこちらに微笑む時任


A「禰豆子、君はとても可愛いね。大丈夫、必ず君を助けるよ」と


笑って抱きしめてくれた無常

地に着く手の爪は尖ったものから普通に戻る

ドクンドクンと脈打つ心臓

暗闇の中耳飾りを付け市松模様の羽織を着る兄

兄は禰豆子へと手を差し出すと優しい声で



炭治郎「禰豆子」



とそう呼んだ、一際大きく跳ねる心臓



禰豆子「ううっ、ううう、ううう...っ」



頭の中で手を繋ぎ背を向ける兄の姿



炭治郎「兄ちゃんが守る。何があってもお前だけは」



そして禰豆子はバッと顔を上げる

思い出したのだ、全て

鬼になり忘れていた懐かしい思い出を、自分の事を



禰豆子「私は竈門禰豆子！！鬼に家族を殺された」



┈┈┈┈┈┈┈┈

禰豆子が人間に戻ったなんて知らぬ炭治郎達

その戦いは今まで以上に激しくなっていた



炭治郎「(踏ん張れ一秒、一秒を稼ぐ)」


無惨「(命の気配がする。戻ってくる。目障りな柱共、止めを刺しきれていない。致命傷はとうに負っているはず、だが死んではいない。珠世の鬼が手当をしている、完全に死ぬまでは戦わせるつもりだ。止めを刺せなかったのは此奴のせいだ。いや、此奴だけでは無い、鬼狩りと言う組織が数珠繋ぎとなって、それ自体が一つの生き物のように私を絡め取らんとしている。)」


鴉「夜明ケマデ三十五分！！」


無惨「(戦いは終わりだ、これ以上危険を冒す必要が無い)」


炭治郎「！！(何かするつもりだ、もしや)」



ブワッと膨れ上がる鬼舞辻の腕

それは炭治郎が縁壱から聞いた分裂のサイン



炭治郎「Aさん、無惨が分裂する！細かく飛び散って逃げる！」


A「！？」


炭治郎「(止められるか！？二人なら、いや分裂をさせたら駄目だ！二人で十二ヶ所一息に斬り込めば...！)」





するとビキッと鬼舞辻の腕が元に戻っていく





炭治郎「(止まった！？)」





そう鬼舞辻の分裂が止まったのだ

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