柱最強の女_第8章

−３８４− ページ34

No side


炭治郎「(集中しろ、今この瞬間の一秒以外考えるな。剣が鈍る、手足が鈍る。一秒だ一秒を繋げ。夜明けまでの一秒を繰り返せ！) 幻日虹、灼骨炎陽」


無惨「(もう技の制度が落ちた。赫い刃もすぐに元に戻る。所詮此奴もこの程度。当然だあんなもの、然う然う生まれてなるものか)」



腕と背中の管と同時に先程のドンッと強い攻撃が襲う

ゴフッと炭治郎は血を吐き出す

それでも向かってくる攻撃を必死に避ける



ガヒュガヒュ、ドッ...ガガガッ



鬼舞辻はある異変に気がつく



無惨「(？何だ？変わらず動きは精彩を欠いて遅い。人間ならば当然だ動いた分の疲労が足枷となる、何故私はその疲弊しきった手負いの人間一匹に止めを刺せない？...違う、私も遅くなっているのだ。そうでなければ一対一でここまで時間はかからない、二度も止めを刺し損ねない。原因はあの女に違いない、取り込んだ珠世の細胞に吐かせる)」



戦いの中、鬼舞辻は己の中に取り込んだ珠世の細胞を

手元に集め頭を甦らせる




無惨「お前は何をした？私に使った薬は人間返りではなかったのか？」


珠世「お前に...使った薬は...人間に戻すもの...それと...言わない、無駄に増やした脳味噌を使って考えたらどうだ？」



グシャッと珠世の頭を握り潰す

そしてそのまま細胞に残る記憶を辿る

すると一人の女と珠世の鬼の姿



無惨「この女人間か...童磨が殺し損ねた毒使い。」



そしてその中で行われる会話に耳を澄ます



胡蝶「薬は複数のかけ合わせにしましょう。分解される事は前提で進めるべきです。一つ目は人間に戻す薬、そしてそれが効かなかった場合、残った薬がより強力に作用するよう細工をします。2つ目は老化の薬が望ましいですね、珠世さんが作ったこれなら一分で五十年、無惨を老いさせる事が出来る。」


無惨「(老化！そうか私は老化し続けていたのだ。老化の進行を食い止める為に私の力は削がれ柱含めこの程度の鬼狩りの始末に手子摺った。珠世が私に薬を使ったのは何時間前だ、四時間...いや五時間近く前、薬が効き始めるまでの時間を差し引いたとしても３時間以上作用していたと思われる。つまり私は九千年老いている！もっと早く気づくべきだった、頭髪の色が戻らない事)」




鬼舞辻の体の中ではちゃんと薬の効果が発揮されていた

体が老いて行く薬のせいで体の動きが鈍っていたのだ

そしてそんな鬼舞辻に構わず鴉の声が響く




鴉「カアアッ！夜明ケマデ五十九分！」

−３８５−→←−３８３−

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す