柱最強の女_第8章

−３６６− ページ16

No side


グシャッと潰れた鳴女の頭

愈史郎には動揺と焦りが募る




愈史郎「(もう殺しにかかってきた！まずい！城が崩壊する！諦めるな！細胞が完全に死滅するまでの僅かな時間で無惨と残りの隊員を外へ出さなければ！)」




急激に上へ上へと登っていく城

圧に耐えきれず柱と炭治郎は床に叩きつけられる

炭治郎達の目に映るのは仲間たちの死骸





炭治郎「(うっ…！駄目だ、まだ外じゃない。仲間の遺体…！無念だったろう…)」




圧に負ける炭治郎達の隙を付いて

鬼舞辻は攻撃を仕掛けていく




甘露寺「ギャーッ」


炭治郎「うぐっ…！」




匂いを正確に嗅げない炭治郎は

また攻撃を喰らってしまう

ギギィ…ガゴンッと城が軋む





伊黒「(この軋み方！城が崩壊する、外に出られないと無惨以外全員死ぬ！)」


甘露寺「ウキャアッ(建物が更に上昇する)ひゃっ…」


炭治郎「甘露寺さん！！」


無惨「！！」


甘露寺「ウギャーッ」





鬼舞辻から目を逸らした甘露寺に

すかさず鬼舞辻は攻撃を仕掛ける

炭治郎は足元に転がる刀を手に取り

鬼舞辻の頭へと投げる

綺麗に命中し攻撃が僅かにズレる

鬼舞辻の視界には圧に押される炭治郎





無惨「(忌々しい餓鬼め…！！)」





そしてドッと一番上の天井にぶつかり

ドゴンッと音を立てて地面を突き破る

その勢いで炭治郎、その他の柱が放り投げられる

ボヤける視界がハッキリとしていく





炭治郎「(外…だ…でもここは…まずいぞ…)」


くいな「無番を地上へ排出しました！ですが場所は…市街地です！想定の場所から大きくズレています！」


輝利哉「(愈史郎さんと無惨で能力の綱引きになった。しかし地上に出せただけでも凄い事だ、無惨は劣勢！) 夜明けまでの時間は！？」


くいな「あと…一時間半です…！」


輝利哉「(まだ…そんなに…)」





必死の思いで鬼舞辻を地上へと叩き出した

それだけでも凄い事だ

しかし夜明けまでの一時間半は本当の持久戦

最初に戦意を喪失してしまった者の負け

けたたましい鴉の声が響く






鴉「カァァァッ一時間半、夜明ケマデ一時間半！！」


炭治郎「(！！長い…まだまだある…！みんな…！どこだ…甘露寺さん、伊黒さん、義勇さん！！無事だ、無惨は何処だ！？嗅げ！嗅ぎ分けろ…)」







すると遠い瓦礫が揺れる

バキィッ！！と音を立てて瓦礫が飛んでいく

その下から出てきたのはさらに怒りを露わにする

鬼舞辻の姿だった

−３６７−→←−３６５−

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す