クズ×善人=通信エラー【ut】 ページ4
俺は単純な理由でこの専属メイドさんを選んだ。
この子やったらまぁまぁ可愛いし、従順そうやしええんちゃう?
そんな感じで適当に決めた。
他のメンバーはこだわりあったりなかったり。コネシマには「大先生、選んだこだわりは?」なんて聞かれたが、ほんまにここ!というこだわりはない。
なんでなん?って、そりゃ
僕、ビジネスパートナーには恋愛求めへんから。
「鬱様、ですね。専属メイドを勤めさせて頂きます。Aです。よろしくお願いします」
そう優しく微笑むメイドちゃん。
従順そうやし、何でもしてくれそうな子やな。
『あぁ、よろしくね』
俺も優しく微笑み返しといた。
Aちゃん、かぁ。履歴書通り、恋愛対象外な子そうでよかったわ。
仕事中に恋愛でもしてみ?どこからとは言わへんけどグーパン飛んでくるで。
でも、向こうから惚れてくれたら僕も考えくらいはするよ?女の子の告白は無下にできひんからね。
「鬱様?手が止まってらっしゃいますけど、どこか体調でも崩されてますか?」
『え?あぁ、大丈夫大丈夫。考え事しとっただけやから』
「そうでございますか。」
業務中、手が止まっていたらしくAちゃんが俺に声をかけてくる。
そんな日々が1週間、いや、1ヶ月くらい続いた。
Aちゃんは、待てど暮らせど声色を一切変えず、今日もメイドの立場で鬱様と呼ぶ。
『Aちゃん』
「はい、どうされましたか?」
『正直僕のことどう思ってる?』
「どうとは…」
ある日の業務中、気になっていたことを聞いてしまった。
実は鬱様のこと…とか思ってたりしたら萌えんねんけど、この反応なさそうやなぁ…。
ごめん忘れて、と取り消そうとするとAちゃんは少し間を開けてから話し始めた。
「鬱様はお優しい方ですよね」
『…え』
「私の様子を見て仕事内容を合わせてくださったり、私の好きな話題を振ってくださったりと、気を配れる鬱様は本当にお優しい方だと思っておりますよ」
彼女がそう言った瞬間、俺の中の概念が消え去った。
当のAちゃんはというと、相も変わらずずっとニコニコと微笑んでる。
…くっそ、惚れてたんはどっちやねん
何がビジネスパートナーに恋愛は求めん、や
『なぁ、今からでも遅ないやんな?』
「?あの、どのお仕事の話でしょうか」
明日から全力で惚れされたるから覚悟せぇよ
A
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雪村(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、コメントありがとうございます。emさんは1番優しい世界感を重視して書いたのでそう言って頂けて嬉しいです!ほんとですか、それは良かったです...!本当に最後までご愛読ありがとうございました。またどこかで出会えましたら嬉しいです...! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - みかげさん» みかげさん、コメントありがとうございます。わ、shoさんの作品を最高と言って貰えてとても嬉しいです!優しい心遣いもありがとうございます...!これからも楽しく投稿していきたいと思います! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 伶奈さん» 怜奈さん、更新楽しみにしてくださいましてありがとうございました!それと同時に返信返せず申し訳ありませんでした。最後まで楽しんで頂けましたら幸いです…! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - emの短編とても素敵でした!短編ちゃうなってところひとつもありませんでしたよ!これからも楽しみにしてます!頑張ってください (2021年3月20日 21時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - shoさんの短編最高でした!!今後の作品も楽しみにしてます!作者様のペースで、で大丈夫ですので頑張って下さい!! (2021年3月20日 21時) (レス) id: 7631caac1d (このIDを非表示/違反報告)
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