記録87 ページ39
『…赤色のマフラー』
tn「ほんまは気にかけてたペンダントを渡すつもりやったんやけど、首気にしとるみたいやったから」
隠れる方がいいんかなって、とご主人様は頭を掻きながら言う。
そんなに気にしてたでしょうか…
tn「無意識かも知れへんけど、最近首、よく触っとるで」
『無意識ですね』
tn「…ほんまに痛ないん？それ」
『痛くはありません、ただ見た目が良くないだけです』
私は箱から赤いマフラーを取り出し、その傷を隠すように首に巻いてみる。すると、ふと目に入るご主人様の赤いマフラーと似てるようで似てないことに気づいた。
『少し違うんですね』
tn「Aは濃い赤っていうよりかは、パステル系の赤っぽいなって」
『ご主人様のこだわりですか？』
tn「そうやな。優しいAにはパステルの赤色のがよく似合っとる」
『優しい…ですか。ご主人様はたまに変なことを仰いますよね』
tn「変なこと！？」
ご主人様は何故か驚いていらっしゃいますが、自分ですら優しさを感じないのに、人に優しさが伝わるわけがありません。
『ご主人様』
tn「ん？」
『ありがとうございます』
tn「…ぇ、あ、う、うん……」
『どうかなさいましたか？』
tn「いや、何でもない」
『大切に使わせて頂きますね』
私は仕事をするため、試しに巻いていた物を1度外し、ご主人様と同じようにマフラーを巻き直す。けれど、見様見真似ですので、イマイチ上手く巻けずにいた。
tn「A、巻いたるから後ろ向いて」
『すみません、ありがとうございます』
ご主人様は、キツない？こんくらいか？と気遣ってくれる。それに私は大丈夫ですと答えた。
tn「ほい」
『ありがとうございます、次は自分で巻けるよう努力しておきます』
tn「別に巻くくらい俺でよければしたるよ…」
ご主人様が巻いてくれたからか、いつもより温かく感じたのは気のせいだろうか。
ーー
『ありがとうございます』
そうお礼を言われた時、うっすらとだが優しく彼女の口元は微笑んでいた。
俺はその顔にドキッとして変な感じに返事をしてしまった。
tn(はぁ……アレは反則やろ。ずるいわぁ…ほんま)
でも、その出来事は嬉しかった
俺が感情を教えてることは無駄じゃないってことやろ？
次は何しよかなぁ…何したら喜んでくれるかな
そんなことをAが出ていった後、1人考えていた
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マァト(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても幸せな気持ちになれる作品でした。とてもほわほわしてます！モノクロ少女も応援してます！ (2020年12月4日 17時) (
レス) id: 19a370924b (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - おいちゃんさん» おいちゃん様、コメントありがとうございます！楽しんでくださったのであれば、作者としては大変嬉しい限りです。ここまでご愛読本当にありがとうございました！ (2020年11月30日 20時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
おいちゃん(プロフ) - 完結お疲れ様でした！初コメ失礼します！いちtn推しとして楽しませて頂きました！素敵な物語で最後メイドちゃん笑ってくれて良かったなってほっこりしてます。。お疲れ様でした！ (2020年11月29日 18時) (レス) id: 9941211368 (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 紫乃さん» 紫乃様、コメントありがとうございます…！はわわ、楽しんで読んでいただけているのであればとても幸いでございます！成程、ご意見の方ご参考にさせて頂きますね！よければ最後までご付き合い頂けますと嬉しいです…！ (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - マァトさん» マァト様、コメントありがとうございます…！そうですね、そろそろ長いお話にも幕引きです。ここまでお読み下さり誠にありがとうございます！成程、ご参考にさせて頂きます！よければ最後まで楽しんで頂けますと幸いです…! (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪村 | 作成日時：2020年8月15日 14時
