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桜のトンネルを抜けたその先で、Aはいつものようにイーゼルにキャンバスボードを立てて、桜を描いていた。
トンネルの向こうには、千年桜と呼ばれる大きな桜の木があるのだ。
？「あの…」
『！…は、はい』
美しい桜のトンネルと千年桜のある場所ではあるが、王都のはずれにあるため人通りが少ないので、急に後ろから話しかけられたAは驚く。
(顔に紙…？)
？「わっ…すげぇ……」
そんな第一印象はお構い無しに、Aの絵が見えたのだろうか、男性は思わず言葉を漏らす。Aは単純に褒められることに慣れずにいたため、どう返していいのかわからずにいた。
？「よぉここまで描けるな……」
『好きだから、描けるんです』
？「へぇー……これから色とか塗るんですか？」
(…やっぱり、皆そう思うよね)
『___いえ、もうすぐ完成です』
「え、色塗らんの！？勿体なくない…？」
"勿体ない"その言葉は何度聞いただろう
見える景色は"これ"なんだ
『これが私の見える景色だから…』
小さな声で呟いたため、男性には聞こえなかったのか聞き返されることはなかった。それより別の質問をされる。
？「これって、描いたあとどうなるんですか？」
『…とりあえずわたしの部屋に数週間置かれるだけだと』
？「捨ててしもたりすんの？」
『いずれは…』
Aはこの絵が下手に見えるようになれば捨てるという感覚を持っている。その事を男性に伝えると、肩を掴まれる。
「僕がこの絵を貰っちゃダメですか？」
「え…」
「勿論タダでとは言いません！この絵気に入ったから、どうせ捨ててしまうんやったら買わせて欲しいねんけど…」
男性は最後になるにつれて声を小さくする。その様子にAはぷっと笑って、返事をした。
『いいですよ、完成したらお渡ししますね』
？「え、ほんまにええの？」
『大切にしてくれそうな方なので』
そう言ってAが微笑むと、紙が上にペラっとめくれ上がった。そして、目がパチリと合う。
男性はすぐに目を逸らし、手で顔を扇ぎ始めた。
(…暑いのかな？)
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あまね(プロフ) - ぼくもスタンプラリーしたいんで完結はちょっと待ってください（） (9月2日 20時) (
レス) @page49 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
モカブラウン(プロフ) - 3作品のうち2つ見てます！もうひとつも時間がある時見ますね！ (2021年2月11日 18時) (レス) id: e467f9631d (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！！！！！！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - この二人がカップルにしか見えない私は末期です？？ (2020年12月6日 20時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
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