第2話 ページ4
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メ、メイク…？そ、そんなの…。私には…。
「そんなの…私には…似合わないに決まってる。」
「なんでそう断言できるの。別に、アンタが貞子って言われ続けられたいならいいけど。」
それより…この人達誰？
私、この人達と初対面なはずだけど…。
「あの、貴方達の名前…。」
「アンタ、同級生の名前くらい覚えたら？」
「と言いつつも、幸くんも覚えてなかったよね。名前…。」
「オレはいいの。で、オレは瑠璃川幸。」
「ボクは向坂椋。」
「……そう。」
……沈黙が続く。私はそそくさと帰る準備をした。
「何帰る準備してんの。」
「わ、私には本当にこの格好するだけで十分だから…。」
「……ふーん。アンタ、さっきまで演技の練習してたでしょ。」
……！！
どうして、それを…。
さっきの声…聞こえてたの？
や、やだ…恥ずかしい。
あんな…下手くそな演技…。
「何、しゃがみこんでんのさ。」
「だ、だって、あんな下手な演技…。」
「別に、そこまで気にするようなレベルではないけど。」
「でも…お母さんよりは…。」
「お母さん？」
…し、しまった！
な、なんで言っちゃうんだろう！
私は、思わず手で口を塞いでしまうが、それが分かりやすい行動だったのが私にも分かった。
「失礼。」
と、瑠璃川くんが私の前髪をかき分けた。
だ、だめ…！
と、目をつぶったあと、片目をチラッと開けてみる。
すると、2人は唖然としていた。
「あ、あの…？」
瑠璃川くんがボソリと一言口にした。
『綺麗』
……そんなこと、お父さん以外で初めて言われた。
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作者名：アリスティー | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月9日 14時
