32話 変わり始める ページ36
少女が公園の前を通りかかるとガサガサと草むらが動いた。
(な、なに？)
少女は警戒し、一歩後ずさる。
それでも草むらの動きは止まらない。
ゴクリともう一度唾を飲み込み、草むらを見つめる。
音がだんだんと大きくなり何かがいるのは明らかだった。
ついに、ガサッと何かが飛び出してくる音がした。
その何かは少女に勢いよく飛びついた。
「うわっ！」
少女は思わず尻もちをついた。
顔を上げると、黒猫の「ネコさん」がいた。
ネコさんは嬉しそうに
「ニャーン」と一声鳴き少女にすり寄る。
「ネコさんだったんだね。びっくりした〜……」
ホッと一息つくと緊張が解けていく。
少女はネコさんの頭を撫で腰を上げた。
(やっぱり気のせいだったんだ)
さっきまで何かがついてくる気配や誰かが見てくる気配がしたのはやはり気のせいだったのだろう。
「いこう、ネコさん。……ネコ、さん＿？」
ネコさんは公園の方をじっと見ている。
__まるで、そこに何かがいるような……
少女も公園を見るが、やはり誰もいない。
「ネコさん、はやくいこう」
声をかけるが、ネコさんは動こうとしない。
少女は早くここから離れたいと思った。
その時、冬なのに生暖かい風が吹いてきた。
(なんで……)
__おかしい。誰もいないはずなのに、誰かが……ナニカがいる。
何かの気配を四方八方から感じた。
心臓の音がいつもより大きく聞こえる。
腕にぷつぷつと鳥肌が立ち、冷や汗までもが出てきた。
何かを警戒するように少女の真っ白なマフラーが揺れた。
マフラーに触れるが、鼓動は早くなるばかりだ。
___突然、ネコさんは顔つきも目も鋭くなりフー！と威嚇する鳴き声を出した。
それは、すぐそこにいるナニカを追い払おうとしているように見えた。
(ネコさん、いつもはこんな声しないのに……)
ネコさんの唸り声を嘲笑うように、向かい風が急に追い風に変わった。
後ろからナニカが迫って来るような気がした。
ナニカが、少女の真横を通り過ぎた。
ハッとして少女が公園を見るとブランコがキィキィと音を立てながら揺れていた……ひとりでに。
風によるものではない。誰かが乗っているようにブランコは揺れている。
「……！」
次第に幼い子供の笑い声が聞こえた。
いつの間にか砂山が作られている。
いくつもの手がすぐ背後に迫ってきてる気がした。
「ネコさん！にげよう！！」
少女はネコさんを抱えると一目散に走った。
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サビナ(プロフ) - ここあぷりんさん» ここあぷりんさん初めまして！小説を読んで下さりありがとうございます。ただいま続編を作成中ですのでもうしばらくお待ちくださいm(_ _)mこれからもよろしくお願い致します。 (2018年1月5日 23時) (
レス) id: 2bf17c144c (このIDを非表示/違反報告)
ここあぷりん(プロフ) - 最後んとこで目からポカリ出てきたんだけど。え、もう鶴丸に会えないのこの子。やだ何それ(((謎の男…叩き斬りてぇ( ) (2018年1月5日 20時) (レス) id: d0be1279ae (このIDを非表示/違反報告)
サビナ(プロフ) - あやかさん» あやかさん初めまして！小説を読んで下さり、嬉しいお言葉までありがとうございます。最後辺りは一番頑張った部分なので、褒めて頂けてとても嬉しいです…！これからもよろしくお願い致します。 (2018年1月2日 14時) (レス) id: 2bf17c144c (このIDを非表示/違反報告)
サビナ(プロフ) - 晋陽さん» 晋陽さん初めまして！小説を読んで下さり、嬉しいお言葉までありがとうございます^ ^これからもまったり頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2017年12月30日 10時) (レス) id: 2bf17c144c (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 切ない感じがまたいいｯ！←更新がんばってください！ (2017年12月30日 9時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nean＝サビナ | 作成日時：2017年10月12日 21時
