乙ゲーの世界に転生したけどヒロインではなくモブだったのでモブインになって逆ハーを目指す【歌い手】

屋上。2。 ページ32

Aside



どれぐらいの時間が経ったんだろうか。



ふと目を開けると、おにぎりが一つ残ったお弁当箱と、

[美味しかった。ありがとう。でも、君もちょっとは食べてね。]

と書かれたノートの切れ端が置かれていた。



…？



私、誰かにお弁当あげたっけ。




．




．





．







｢?!?!｣




まって、私そらるさんにお弁当あげたの?!



まって私めちゃくちゃ素っ気ない対応してなかった?!



｢くっそもうちょい愛想良くすりゃよかった…｣



というか、なんでそらるさんが私なんかのお弁当を食べてくれたんだろう。




．






お母さんのお弁当、美味しそうな匂いが溢れてたなぁ。


これが原因か。




お母さん、ナイス。




｢お母さんあざますっ!!｣



そう呟いた時、頭の中がスッキリしていることに気づいた。


眠気が取れたとかじゃなくて、自分がモブであることを受け入れられた感じ。


そうだよ。


モブならモブインになればいいじゃんか！


｢いっちょモブイン逆ハー目指しますか！｣



さっきまでネガティブになりかけていた心は完全復活した。



｢あ…今、何時だろ｣



ふと疑問に思い、スマホを取り出す。



｢もうすぐ部活の時間か！行かなくっちゃ！｣



おにぎりを食べてから軽音部に行こうっと。



私はそらるさんが残してくれた冷たいおにぎりを口に含んだ。



．

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