【鬼滅の刃】自己犠牲はやめなさい！弐 (ページ14)

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陸拾肆ページ14

炭治郎「A…………」

『…………分かってるよ』

煉獄さんの体からそっと離れて、立ち上がりその場を離れようとする

炭治郎「A、どこに行くんだ！」

『…………知らない』

善逸「か、隠が来るまでここにいた方がいいんじゃ」

『ここにいてなにか意味があるの？隠が猗窩座を倒してくれるの？無惨を倒してくれるの？』

『私はもう行くから』

炭治郎「A！」

『炭治郎、私は貴方と違うから、じゃ』

その場を後にして自分の家へ向かう
もう何ヶ月も帰っていない私の家。

煉獄さんのおかげで傷一つついていない体を一晩中走らせ、自分の家の前に着く。

戸を開け、ただいまと家の中に入るも誰も返事はしない。
それはそうだ。この家には私しかいないんだから。

靴を脱ぎ、すぐに棚がある所へ向かう
そして棚から一冊の本を取り頁を開く

これは小さい頃に前世の記憶を書き留めた本だ。鬼滅のことや、家族のこと、友達のこと、学校のこと色んなものを記憶が薄れていく前にこの本にうつしていた。

そのおかげでこの歳になっても私は前世の記憶を鮮明にとまではいかないけど、思い出すことが出来る。

だけど、もうこの本も随分見ていなかった。
別に彼らを助ける方法なんて書かれていないし、彼らが死ぬところが書かれている。
お館様とは物心ついた時から一緒にいるんだ、その人の死を好んでみるような人間じゃない。

それに、自分の家は1人で考え事ばかりしてしまうから嫌だった。