伍拾壱 ページ1
はっと目が覚める
炭治郎達はまだ目が覚めていないようだった
炭治郎に頭突きをしておでこから血を流しポロポロ泣いている禰豆子と目が合う
『大丈夫?泣かないで』
頭の血を拭き取り、頭を撫でてあげる
立ち上がり周りを見てみると人が増えていた。
私も眠らされたということは夢に入った奴がいるはず。
私に繋がれている縄の先を見ようとすると隣から火が燃え移ってくる。
『うわっ、あっつ!……くない』
禰豆子ちゃんが爆血使ったのか。
私にも燃え移ったので縄が燃えてちぎれる
『びっくりした……』
まぁいいかと思い私の夢に入ってきた人物を見ると、縄が切れて目覚めたのか私に錐と殺意じみたものを向けてくる。それと同時にどこか朧気だった頭がすっきりしていき、見ていた夢を思い出す。
『お前が私の夢に入ったのか』
私の夢に入ってきた少年らしき人物が私の声を聞き怯える。
『お前が入ったのかって聞いてるんだけど』
彼が怯えれば怯えるほど私の心はどこか冷静に、だけど燃え上がるような怒りが湧いてくる。
私の夢に入ったクソ野郎。私だけの思い出に侵入してきたクズ。そんなクズの魘夢やこいつのおかげで前世の大事な人を思い出したのがあまりにもムカついてくる。
彼は覚悟を決めたのか私に錐を刺そうとしてくる。錐をよけて彼の首を掴み床に倒す。
『さっきから質問してるだろ。答えろ』
上手く呼吸出来ないのか私の手を掻く
『答えたら離す。夢で何を見た』
掴んでいる手を少しだけ緩める
「大きな建物があるところから無意識の領域に入って、でも無意識の領域にも同じような建物とか車?のような物とかがあって、それぐらいしか!」
『そっか』
手の力を強くして彼を気絶させる
彼にだってなにか理由があったんだろう。彼に怒りをぶつけても昔には戻れない。
そして、どれだけ怒りがあってもどこか冷静な自分がいる。
それもそうだろう、例えどれだけ大切な前世であろうが、こっちの世界に来て十数年経っているんだ。記憶なんて失っていくに決まってる。
だから、前世の記憶を今まで思い出せなかった自分にムカついているんだ。彼に八つ当たりしているだけ。
だけど魘夢、お前だけは許さない
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作者名:雪女(ゆきめ) | 作成日時:2020年8月22日 20時