第５話 ページ7
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頭では分かってる、なんて言いながら、私はずっと心のどこかで期待してた。
あの子も私と同じように、私の事を覚えててくれてるって。
私は何を期待していたんだろう。
そんなことあるわけないのに。
彼は覚えていない。
私の事も、約束したことも、何もかも。
全部全部、忘れちゃったんだ。
不思議そうに私を見る彼の目が、それを痛いほど痛感させる。
轟「 おい、大丈夫か？」
ずっとこの時を夢見てたはずなのに、今は再会の喜びより、忘れられた苦しさのほうが大きい。
何か言わないと、そう思えば思うほどうまく声が出せなくなっていく。
『 っ、えっと、座席表に書いてあったから！急に名前呼びなんて気持ち悪かったよね、あ、はは…… 』
無理やり笑顔を貼り付けてみても、苦しい気持ちはなくなってくれなくて。
目に涙が滲んで、視界がぼやけていく。
……嫌だ、止まって。
泣き顔なんて、見られたくない。
逃げるように俯いて、涙をこらえる。
泣くな。
泣いちゃ、だめ……
轟「 お前、もしかして、」
『 ……っ 』
轟「泣いて、」
気づかれる、そう思ったときだった。
？「 友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは……ヒーロー科だぞ 」
彼の言葉は誰かの声で遮られて。
ざわついていた教室がシーンと静まりかえった。
相澤「 担任の相澤消太だ。よろしくね 」
先生の言葉に、皆の視線が前に集中する。
その隙に、こぼれ落ちた涙を拭った。
相澤「 早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ 」
先生の指示で皆が動き出す。
早く、ここから離れないと……
また偽物の笑顔を貼り付けて、彼に声をかける。
少しだけ震えた声に、気づかれないように。
『 わ、私たちも行かないと！じゃあまたあとで！』
轟「 っ、おい！」
彼の制止の言葉も、伸ばされた彼の手にも知らないふりをして。
私は教室を飛び出した。
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来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたい - くっ！轟焦凍！（色々な意味で）罪な男め！ (2021年8月3日 17時) (
レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 凄く面白いです！これからも応援しています！ (2021年6月20日 19時) (レス) id: 325c7d0f3b (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 初めまして！コメント失礼します！続きめっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 8725c53e57 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - コメント失礼します！この作品凄い面白くて好きです!!更新頑張ってください！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: d619c22750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2020年7月5日 17時
