勇者が消えた世界で【第一章】 (ページ4)

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4日目/客人(足立透&初瀬いづな) ページ4

「……あっ、来た来た！！」

ノックが聞こえた扉を開けていたらしい人物でまず始めに見えたのが…

何かの耳だった。
…見たところ動物っぽい…？

「え、えーっと…君って何者？」

「いづなは獣人種(ﾜｰﾋﾞｰｽﾄ)だ、です。
名前はいづな、です。」
「い、いづなちゃんね？わかった～………」

…つまり、獣の人間ってことか。

「僕は足立透。…えーっと…こっちでは魔術師だよ。よろしくねっ。」

「こちらこそよろしく、です」

語尾に“です”が多いね。って言おうと思うけど、また後にしておこーっと。()

でも、この子はこの子でなんで来たんだろ……

まぁいっか…それも後で聞いておこう。

…獣人種って、他にもいるのかな。

「ところで、君は何かしら魔法…みたいなの持ってる？」

「魔法…かは分からないけど、血壊だったら使える、です」

「血壊？……まぁ、とりあえず魔法使えるなら…その……手組んで、僕と魔王倒しちゃう？」

そして、一呼吸おいてこちらも自身の魔法について説明した。

「…ちなみに僕の魔法は、10分程度だけ時を停止させる『時止』、飛ぶ瞬間に突風を起こし、自由に空中浮遊できる『空舞』、相手に幻覚や幻聴を起こさせる『夢幻』があるんだ。…どれも、役にたたないだろうけどさ。」

…ペルソナのことは、別に魔法でも何でもなさそうだし、言わないことにした。

「魔王、倒すです…！手組むです！
いづなの血壊もたまにしか使えねぇ…です。
でも、手組めば楽勝な気がする、です！」

「楽勝…か。……元の世界に戻れるまで、頑張ろうね。二人で。」

そう言うと、僕は近くにあったローブと帽子を身に付けた。

「…それじゃ、今はここを拠点に冒険へ行こうか。」