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毎年恒例のダンスコンテストに向けて、ダンス部の練習も佳境に入ってきた。
だが、最近、公園で踊るストリートダンサーや、ダンススクール帰りの若者が狙われる「ダンサー狩り」事件が起きていた。
「なんでダンサーを狙うんだろうか」
「恨みでもあるとか…?」
「だとしても、そんなことしても意味ねえやろ」
「いい迷惑だよなあ。オレらは学校で練習してるから大丈夫だろうけど」
「なんで捕まらないん？」
「黒づくめで顔も隠してるし、毎回人数とかも違うから、特定できないらしい」
「いっぺん、顔見に行ったろかい?」
練習室の隅でメンバーがそんな話をしていたのを耳にしていたのは覚えていたけど・・・
ある日、顔に傷を作って練習に来た時にはさすがに驚いた。
もしかして・・・ほんとに行ったのかよ。
だけどそれから豆の様子がおかしい。
練習に集中しないし、ずっと何か言いたそうにしてるけど・・・
その翌日。
昼休みに屋上でひとりで練習してる時に豆がやってきた。
「どういうことっすか?」
いきなりそう言われてわけがわからない。
他のメンバーも追ってきて豆をオレから剥がしたが・・・
「見たんすよ！ なんのためにあんなこと・・・」
がなりたてる豆を呆然と見てたら、部長の奨くんがやってきて・・・
「と、とりあえず落ち着いて…言いたいことがあるならちゃんと話そ?」と豆を連れて行った。
だけど、頭によぎるものがあって、イヤな予感がした。
「純喜・・・兄貴が・・・家を出ていった。今、どこにいるかわからない」
「え? まさか・・・もしかして・・・？」
「うん、たぶん。瑠姫が言うにはボスっぽいやつは足を引き摺ってるって・・・」
「マジか・・・やっぱオレのせいや・・・オレが悪いんや・・・」
「そうじゃない。おまえのせいじゃない」
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作者名：yukilimn | 作成日時：2020年9月2日 18時
