愛情40杯 ページ41
カチャカチャと音を立てて戻ってきたお母さんは私に威圧をかけるように笑ってきた。
「Aは、部屋に戻ってなさい」
何も悟られぬように彼方さんと真冬さんは違和感のない笑顔で座っている。
『…はい』
リビングを出る時にちらっと2人を見ると真冬さんがにこっと笑ってくれた
───
──
─
あれから小一時間くらい経ったけどなにも変わらず、静かな空間が続いている。
リビングはどうなったんだろう。
あいつに追い出されて真冬さんと彼方さんが帰ってしまっていたら?
センラさんが、来るのも嘘だったら…?
窓を見ると朝方に出ていた霧はもう無くなっていて太陽がはっきりと見えていた
こっそり玄関から出るのはアリだろうか。
ぐっと唇を噛んで冷や汗を拭う。
バレませんように。
少し古くなった音のなる廊下を恨みながらゆっくりと歩く。
心臓はうるさいし、緊張で視界が狭まる
怖い。
リビングの扉を超えて、玄関まであと5m。
「なに…してるの?」
後ろから聞こえた女の声に心臓の音は急に止まって、体温が消えて、視界が真っ白になって涙が出そうになった。
「部屋に戻ってって言ったのに…お母さんを裏切るの?」
これだけで裏切るなんて被害妄想が激しい奴だな、と頭では思ったものの言葉にできる訳もなく、体は固まった
走れば、玄関に着く。
動け、動け、なんて考えてた間に服を捕まれ後ろに投げられた。
『い"っ、た……』
不気味な笑顔で近付いたそいつは私の頬を思いっきりビンタして、再度"戻って"と言い放った。
扉の隙間から見えた真冬さんは明らかにその女を軽蔑した顔で見ていた。
『……………はい…』
「そう、いい子ね」
神様はまた、私を辛い生活に戻すつもりなのか、
頑張って可愛くなって、要領よく過ごして、やっと上に立てる人間になれたと思った途端にこれだ。
とぼとぼと歩く私が部屋に入った途端、着いてきた女が「じゃあ、待っててね」と明らかにご機嫌な様子で伝えた後、内側からは開かない鍵を閉めた
なんでそんなに長く話す必要があるんだろう…
と思っていた矢先に窓にスポンジボールのような何かがポンッと当たって下に落ちていった
子供が遊んでいるだけだろうと無視するともう1回、もう1回と何度も当たって下に落ちていく。
さすがに腹が立って下を除くと
『っ、え』
必死にボールを投げているうらたさん
必死に手を振っている志麻さん
3人の後ろに隠れている坂田さん
私の姿を見て喜んでいるセンラさんがいた。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2023年2月23日 23時) (レス) @page44 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ひとしずく(プロフ) - 夢女子S氏さん» わぁぁ、!!!ありがとうございます!!!! (2021年8月19日 12時) (レス) id: f9543978f7 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子S氏(プロフ) - 最高ですっっ!! (2021年8月17日 10時) (レス) id: 59c0caef7c (このIDを非表示/違反報告)
ひとしずく(プロフ) - うささん» はじめましてー!!ありがとうございます!がんばります!!! (2021年5月28日 23時) (レス) id: f9543978f7 (このIDを非表示/違反報告)
ひとしずく(プロフ) - leinさん» 初コメありがとうございますー!!!こたぬきさんを他の皆さんにときめかせることが出来て嬉しいです!!!!めっちゃありがとうございます!!(?)更新がんばります!!!! (2020年11月8日 14時) (レス) id: f9543978f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひとしずく x他1人 | 作成日時:2019年11月25日 19時