91話 ページ6
「え？」
兄妹という言葉に円堂が私と兄の顔を見比べて私と目を合わせてきた。そらしてぇ
「そういえば前、妹がいるって…彼女がそうだったんだね」
フィディオも私を見つめる。人の視線を集めたくないんだけど
「フィディオ、誰だ？」
「彼は柳晴斗。俺達のチームメイトさ」
「よろしくな、イナズマジャパン」
兄さんの自己紹介も終わると先程までの話を思い出した円堂が話を進める
「あ！足りないのが5人ならさ、俺達がフィディオのチームに入ればいいんだ！」
「大事なことはフィディオ達の実力をミスターKって奴に見せつけることだろ？公式戦じゃないんだから認めてくれるんじゃないかな」
優しい円堂の人格がよく分かる提案だが優先事項を忘れてはいけないだろ
「やりたきゃ勝手にやれよ。俺は別にやることがあるんでね」
「悪いが円堂、俺も手伝えない」
「今は影山を探すことが先決だ」
『兄のチームのためとは言え私も佐久間に賛成する』
反対意見の殺到。そりゃそうだ
「ありがとう、円堂。気持ちだけで充分だよ」
でも…と何か言いたげな円堂
「これは俺達の問題だ。今自分達の力で出来ることをやるだけさ。な、晴斗！」
「あぁ。影山については気掛かりだが俺達もやれるだけのことはやるよ」
「そっちも探している男を見つけられるといいな！」
何か綺麗にまとまってフィディオと兄さんに送り出されてしまった
話も片付き、本来の目的である影山探しを再開
分かれ道の十字路を手分けして探すことに。佐久間は不動を見張るようだし鬼道とは一緒に居づらい…
円堂の後を追おう
我らがキャプテンは快く同行を了承してくれて円堂とは反対側の建物を見て回る
「いないな」
『こっちもだ』
そうこうしている内に道が繋がったところで佐久間、鬼道を見つけた
「鬼道！此方は駄目だった。お前は？」
「それが…」
話をする前に鬼道に向かって材木が降り注いできた
土埃が舞って痛いのに目をそらすことができない。これがあの人の憎しみなの？
「大丈夫か？！」
「あぁ。避ける必要はなかった。動かなければ俺に当たらないよう仕掛けてあったんだ」
『…脅し』
「あぁ！いつでも潰せるという！」
「もしかしてアイツが…」
「会ったのか？」
鬼道が言葉を続けようとしたところに二人の人物がやって来た
「なんてことだ…まさか！俺を助けたせいで鬼道、君まで狙われたのか？！」
フィディオと兄さん。音を聞いて駆け付けてきたようだ
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作者名：ヌラ | 作成日時：2022年3月6日 16時
