猫の気まぐれ3【イナズマイレブン】 (ページ42)

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121話ページ42

『ああ、あるぞ。元々その技を強化したくて考えたんだ。今のままじゃ私は…役に立てないような気がして』

イタリアに私のプレーを全て知る兄がいるのもあるけれど

あの人に勝てる手段を、技を一つでも多く身に付けないといけないから

「へー、立向居のときとはちょーっと違うかもしれねぇけど状況が似てんな」

『え？』

状況が似ている？

「少し前まで、円堂さんの真似っこじゃなく自分だけの技を作らなきゃいけない、とかイナズマジャパンにいる意味だとか。いろいろ考えてしまって」

手に持ったボールを見つめながら立向居がそのときの気持ちを教えてくれた

心の内を語るのは少し恥ずかしいのか照れているように見える

「音無さんが話を聞いてくれて。綱海さん、小暮、壁山それに栗末が練習に付き合ってくれて。飛鷹さんが激励してくれて漸く俺だけの技が完成したんです」

立向居がボールから春奈、綱海、壁山、グラウンドで練習している小暮や飛鷹へと視線を動かした

「綱海さんが言うように理屈だけじゃ必殺技が作れないときもあるのかなって思います。その、今の猫村さんは焦っているというか…」

「あ～、何かを抱えているように見える、って感じだよな」

『えっ嘘、私ってそんなに分かりやすい？』

思わず気持ちが声に出てしまうほど動揺してしまう。普通を繕っていたはずだと思っていたから

「ほら、鬼道たちと練習外れたときもそうだしアルゼンチン戦が終わってから鬼道とお前は特に変だろ？」

『変だろって本人に聞かれても…別に私はいつもと変わらないだろ？鬼道は確かに様子が可笑しいときがあったと思うけど』

「でも、一人で何か思い詰めてそうな顔してましたよ。普段と比べて口数も減っているような気がしますし」

「そういえば猫村さん、マネージャーたちと話すことも少なくなってた気がするっス。前までよく一緒にいたイメージがあったんスけど」

それは確かにそうだ…言われてみれば普段と違っていたことが分かってくる

「何かを抱えているなら話した方が楽っスよ。ほら、キャプテンとか！」

『あー…うん』

「なんだ、なんだ、円堂にも話せないことなのかよ」

『話せないというか、話したくないというか』

自分の祖父を手にかけた相手の話題だしな

「キャプテンがダメなら他に話せる人に話すのはどうっスか？マネージャーとか」

「あ！不動さんはどうですか？」