猫の気まぐれ3【イナズマイレブン】 (ページ35)

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114話ページ35

『そう、なのか』

「俺の考えに過ぎないがな。間に挟まれる気持ちは何となく、分かる気がするよ。俺も明確な答えは出せていない」

「だが一つ確かなことがある」

『確かなこと？』

「俺はあの人に勝ちたい。勝って俺達のサッカーが正しいことを証明する。それだけだ。お前もその気持ちは同じだと俺は思うぞ」

『同じ気持ち…勝つ…勝って、証明。そっか、そうだな！』

影山が絡み始めてから暗かったアイツの声がいつものように明るくなった気がした

何をすべきかがようやく分かったようだな

「聞きたかったことには答えられただろうか」

『ああ。思った以上の答えだった』

「それはよかった」

『ありがとう、鬼道』

話はまとまったようだな。自室へ戻り始るか

猫村に見つかったら何をされるか分かったもんじゃねぇ

「オイ、早く戻んぞ」

「ああ。…猫村も影山の呪縛に嵌まっているのかもな」

「鬼道や俺達とは別の類いのだろうが、そうだろうよ」

サッカーには関係ない。でもアイツの人生に大きく関わっていることだしな

鬼道と薄暗い廊下に出ると階段を上る足音の後にドアが二つ閉まったような音が聞こえた

…聞いてたかぁ

会話もなくそんな物音がしたらちょっと気になる。それに時間も消灯に近いし

大方、不動と佐久間か。本音を聞かせてしまったな

不動はともかく佐久間を刺激したくなかったんだけど大丈夫かな…明日の佐久間の反応に気を付けておこう

そのまま鬼道とは部屋で別れた

響木さんが見せてくれた写真は置かれたままだったから私が貰った

多分私の前に置いてくれたのは貰ってもいいということだと思う

机に二枚の写真を置く。そしてクローゼットからブランケットを引っ張り出した

猫のデザインをした思い出がある大切なもの

影山の父さんと暮らしてる時、これにくるまって寝るのが好きだったなぁ

ベッドに横になってグルグル巻きにしたブランケットに抱きつく

本当は掛けるものだけど季節的にそれは暑いから無理

いろいろあって疲れていたのだろう。ふわふわした感触を手に感じながらすぐに眠りについた

翌日

アメリカ戦に向けた練習が始まる

ボールが渡った風丸がパスを出せないように他の選手にマークをつけるのが速かった。体感だけど特に一年

指示だけではない、各自での予測が格段に速くなっている

選考戦から物凄い成長したな

一度の負けがこんなにも糧になったのか