108話 ページ29
「そういえば影山関係で円堂達はイタリアエリアにいたんだよな」
「あぁ。影山がイタリア代表を乗っ取ろうとしてたしな」
あいつらから解放されて脱衣場に戻ると風丸と円堂が話していた
「鬼道と佐久間、不動は帝国学園や真 帝国学園で影山と因縁があったけど猫村は影山と何も関係無かったんじゃないか？」
「あー…えっーと」
「アイツの兄貴がイタリア代表なんだよ」
カゴに入った着替えを取りながら、円堂が変なことを言う前にそれらしい答えを言っておく
事実には代わりないことだ
家族関係の話はアイツにとってあまり触れて欲しくないような気がした
知ってるのは最小限人数でいいだろう
「「えーっ！！」」
「そ、そうそう！だから猫村もイタリアのために一緒に戦ったんだぜ！」
そうして猫村の兄貴の話題に食い付いて影山の話は消えていった
ワイワイとこれからの相手について話す奴が増えた中、自然とあのときのメンバーで集まる
「不動！さっきはありがとうな」
「ハッ、あいつが言ってることが本当とは限らねぇだけだ」
晴斗とは本当の兄妹だろう。だが影山の養子というのは信じられねぇ
「…響木監督」
「あ？」
「どうした？鬼道」
「韓国戦のとき、響木監督は過去の猫村を知っているような言い方だった」
「じゃあもしかしたら猫村と影山の関係を知っているかもしれないな」
「あぁ。やはり影山の養子というのは気になる」
「よし！それじゃあ響木監督に聞きに行こうぜ！」
え、今からかよ
「なんだお前達か。今日は体を休めておいた方がいいぞ」
ノックの後、部屋から目当ての奴が出てきた
「俺達、響木監督に聞きたいことがあるんです」
「監督は猫村が影山の養子ということを知っていたんですか」
「なに…？」
円堂と鬼道が続けた言葉に考え込んだ様子。心当たりがあんのかよ
「猫村を呼んできてくれ」
鬼道達に呼ばれてミーティングルームに入る。響木さんが話をしたいらしいけど
「来たな。俺が柳のことについて知っていることを話そう」
「柳？影山と猫村の話では？」
…この呼び出しは鬼道達が私と影山との関係を聞いたから起きたのか
「俺は影山との関係を知らん。だが猫村の家族のことを知ってるからな」
え、それは私も知らない
「それがなぜ柳に？」
『猫村は影山に作ってもらった名前。最初の、元々の本名は柳雪夜だから』
影山の名に四人、特に鬼道が体を固くしたように見えた
そうして響木さんの話が始まる
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作者名：ヌラ | 作成日時：2022年3月6日 16時
