猫の気まぐれ3【イナズマイレブン】 (ページ11)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:6,884 hit

96話ページ11

好奇心が満たされたところで時計を見ると朝の4時50分

随分早く目が覚めてしまったようだ

でも外はもう白んできている

まぁ日本の夏とほぼ同じような太陽の日周運動が見られるから当たり前ではある

いつもと違う場所で寝てたからか普段より行儀よく身体にかかったままのタオルケットを畳んで洗面台へ向かう

いつもなら毛布とか足元が出てたり捲れてたりするんだけど

鏡と向き合ってそこら辺にあった櫛で手首に着けたままの髪ゴムを使って髪をくくる

そういえばこれ、あの人から誕生日に貰ったものだったな

メインはオルゴールでそのオマケみたいに渡されたもの

女の子にピンクの髪ゴムなんて…慣れてないあの人らしい

女子にはピンク系統を渡す。それなら喜ぶとでも思ったんだろうな

そういえばお返しはお高い懐中時計なんて渡してたな

あの人と兄さんと私の三人で撮った写真をくりぬいて裏蓋に貼り付けて

私はなんだかんだ髪ゴムを使い続けているけどあの人は縁を切ったからってもう使っていなさそうだ

切り捨ててばかりいた人だから

その後は続々とみんなが起きて来てイタリア特有の甘くも栄養を考えられた朝食を頂いた

『ん？顔、ちょっと白くない？』

「…普段通りだ」

隣で朝食を口に運ぶ不動が寝不足気味に見えた

今日は多分いろいろストレスかかると思うから体調が悪いのは心配。心身は繋がっていると言うし

そして昼近くに人物がグラウンドに現れた

門の方を向いているから宿舎内にいる私達には顔が見えなかったがフィディオが言うにはミスターKだと言う

「逃げなかったか」

集合すると例の人物が口を開いた。低い声、知ってる声

「約束です。俺達が勝てばイタリア代表の座は返してもらいます」

「無論。だがそいつらは？」

心臓が痛い。緊張、してる

「俺達、日本代表イナズマジャパンです」

「負傷した彼らに代わって彼らが出てくれると言っています」

緩く結われた髪が揺れてKがこちらを向く

「帰ってきたか、鬼道。私の作品よ」

あぁ、久し振りに見る

トレードマークのサングラス。髪の毛は変わってしまったけどあなたは

「お前は！」

「影山零治！」

「ではこの人が…」

「あぁ、卑怯な手で何度も俺達に襲いかかってきた元帝国学園の総帥だ。そして俺のじいちゃんを」

「まさか！みんなの怪我も」

「何を企んでいるかは分からないが自らの野望のためにイタリア代表を利用しようとしていることは間違いない」