溺れる想い[Fischer's] (ページ9)

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夜通し対決ページ9

それから3人とお酒を飲みながらずっとゲームをしていた。

ちょうど3時半くらいにゲームを中断して、シルクくんがわたしに聞いて来た。

シ「さて、本題なんだけど」

みんな真剣な表情になってこちらを見てくる。

モ「A、話せる？俺から話そうか？」

モトキくんの心遣いやマサイくんが温かい飲み物を入れてくれたり、シルクくんの笑顔に胸がいっぱいになった。

久しぶりに仕事以外でこんなに人に関わって、初対面の人に優しくしてもらえたのだ。
きっとゲームで緊張を解いてくれていたんだろう。

私は言葉を詰まらせ、少し泣きながらも2人に話した。

その間ずっと背中をさすってくれていたモトキくんは、ちゃんと話せて偉いね。と褒めてくれた

シ「なーるほどなあ。Aちゃんがその元カレさんに少し依存してたのが負担になってたのかもな。」

かなり痛いところを突かれてまた涙が溢れそうになる。

もともと学生の時でも友達が作れるタイプではなくて、遊びに行くにしても4年間その元カレとほぼ遊んでいたから、日常的な会話にしても外出にしてもどんな面でも頼りすぎていた…とは自覚していたのだ。

シ「だからよ、他に頼れるヤツを作っちまえばいいわけよ。」

マ「あー…なるほどね」

マサイくんはシルクくんの言いたいことを理解したらしく、机を挟んで向かい合わせで話していた
シルクくんとマサイくんが私のすぐ近くまで来る。

シ「もう今日から俺らは友達だ。だからな、いっぱい頼れ。どんなことでもいい、心配なこと、仕事の愚痴、いくらでも聞いてやる。だから自分を傷つけたり溜め込むのはやめろ。」

シルクくんの真剣な顔が霞んで見える。
ああ、こんなにやさしいひともいるんだ。
そう思うと涙が止まらなかった。

モ「ね？いいヤツだって言ったでしょ？」

モトキくんはにこにこしながら頭を撫でてくれる。

『ありがとう…ございますっ』

シ「てことでゲーム再開な」

マ「いい加減寝ようぜ…」

モ「調子出て来たし受けて立つー」

シルクくんは私の頭をわしゃっと撫でてまたテレビに向かう。
2人も続いて行く姿を眺めてると
シルクくんが振り返った

シ「A、お前もだぞ。仲間なんだから」

暖かい陽だまりがわたしには生まれたのだ。