溺れる想い[Fischer's] (ページ27)

今日:24 hit、昨日:1 hit、合計:24,641 hit

・ページ27

モトキくんはお店から出るとショッピングモール内にある屋外広場に連れて行ってくれた。

お天気も良くて、海がちかいので海も見える。

『わー！！きもちいー！』

モ「子供みたいだねw、はい。いちごオレ」

モトキくんは紙パックのいちごオレをくれた
ありがとー！と受け取ると
二人でベンチに座った。

平日だからか人は少なく、静かで穏やかな風が心地いい。

モ「あ、これさっきの。いまかぶる？」

さっきのお店のショッパーをモトキくんが出してくれる。
せっかくなのでいまかぶることにした。

モトキくんが被せてくれると
やっぱりすごく似合ってる。と言ってくれた

モ「あ、それとね。これ」

そのショッパーの中から小さな袋をだすと

モ「目つぶってて、」

と言われ、その通りにする。

モ「うん。できた」

『目開けていい？』

モ「んー…どうしよっかな」

その直後
唇に暖かくて柔らかいものが触れた

驚いて目を開くてすぐ近くにモトキくんの顔があった。

モ「あ。開けちゃダメって言ったのに。」

『ばか…』

驚きと恥ずかしさで俯くと
首元にアクセサリーがあることに気づく。
ネックレスで中心には小さい透明な苺が付いていてとても可愛い

『え、これ。モトキくんが？』

モ「うん。さっきのお店で見つけたの。似合うと思って。それにA、苺好きでしょ？」

『うん！ありがとう！…でもモトキくんに教えたっけ…？』

そう言った時モトキくんが少し寂しそうな顔をした

モ「ねえ、A。少しだけ…聞き流してもいいから聞いて欲しいんだ」

モトキくんはわたしを抱きしめると

モ「俺たちのせいでこうなったのはわかってる。みんなとも話した。無理に思い出させるのはやめようって。でも…俺は昔からAのこと大好きだった…今も…だから大好きなAが辛そうな顔してるの見たくない…」

『モトキくん…』

モトキくんは震えていた。声も身体も。

モ「ごめんねっ…そろそろみんなのとこ行こっか。Aのこと独り占めしすぎって怒られちゃう」

無理やり笑おうとしているモトキくんをみて心が痛む。
俺たちのせいで…思い出させる…昔から…
モトキくんから聞いた単語がぐるぐるする

『もっきゅん…』

モ「えっ…」

『あれ…』

何の意図もせず出た言葉。
でもその一言でモトキくんはすごく驚いている。
モトキくんをそんな呼び方で呼んだことなかったのに…