溺れる想い[Fischer's] (ページ3)

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モトキside

シ「じゃあビリのモトキ買い出しよろしくー！」

いつも通りfischer'sのみんなでスマブラをしていた。
時間は24時を回るか回らないかくらい。
コンビニへの買い出しを掛けて
シルク，ダーマ，俺，マサイでバトルをしていた。

いきなりの寒さにみんな外に出たがらず、負けた俺は渋々みんなの欲しいものを聞いてコンビニへと向かった。

もう3月の下旬だというのにいきなりの雪、桜の開花宣言も数日前に出たのに…
コンビニとはちょっと違う方向の公園に桜を見に行こうと遠回りをする。
途中で自販機で暖かいコーヒーを買って桜を見ようなんて。
せめて雪が降ってないときにやればいいんだろうけど、雪と桜って神秘的な感じがして…

【ピーーーー！！！】

「うぉっ！あ、当たった。」

ぼーっとしながらホットコーヒーを自販機で買っていたらどうやらルーレットが当たったらしい。
メンバーの誰かにあげてもいいけど持って帰る頃には冷たくなってるよなあ…なんて考えながら周りを見渡す。

「ん…先客かな、」

ふと公園の方を見るとベンチには一人の女の子が見えた。
ちょうどいい。あの子にあげよう。なんて普段ならあまり考えないであろうことを思いついた。

公園に近づくに連れて女の子の姿がはっきりと見えてきた。
うずくまっていて少し鼻をすすったり小さな嗚咽が聞こえた。
俺はとっさに声をかけていた。

「どうしたの？どこか体調悪いの？」

いや…普通夜中にいきなり声かけられたらどんな子だってびっくりするよな…やらかしたかな…と気づいたのは、声をかけて女の子がびくん！と体を強張らせてからだった。

恐る恐るこちらに振り返ると。
生まれてくる次元を間違えたんじゃないか、と思うくらいかわいい女の子だった。

栗色の柔らかそうな腰まである髪、怯えてる瞳はとても犯罪を犯した気分でいっぱいにさせた。

そのあとは
とにかくこの子が風邪引いてしまう。とか本当に体調悪いんじゃないか、なんて思い
自販機で当たったココアを渡して、話を聞いていた。

彼女はAちゃんといって4年間付き合ってた彼氏さんと別れてしまったらしい。
なんとか無理やり笑おうとしながら話してくれるAちゃんを見ていたらとても耐えきれなくなり、携帯を取り出し、シルクに電話をかけた。