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神山side
_________________Aさんのこと好きやわ
しげにそう言われたとき、ビックリした。
記憶喪失になっても、しげはAのことが好き。
これはもう、運命の相手ということでええやんなあ!?
「しげさ、記憶喪失になる前から、Aのこと好きやったんよ。」
俺がそう言うたら、しげは目を真ん丸にしてビックリしとる
そういうとこは前と変わらへんよな。
「俺が・・・Aさんを・・・?」
「マジやで。せやから、二人は運命の相手っちゅうことやねん。」
口をポカンと開けてフリーズ中。
そんな姿が面白くて、いとおしくてたまらへん
「俺、Aさんといると安心すんねん。
落ち着くねん。
これって好きってことであってるよな?」
自分の気持ちにも、他人の気持ちにも鈍感なとこもあいかわらず。
不思議やな。
記憶なくても性格とかそのまんまってことは、遺伝子レベルってことやんな笑
「あってると思うで!
俺は前も今も、しげのこと応援しとるからな!」
「ありがと神ちゃん。」
「ん、いつでもなんでも言ってな!」
「ありがとぉな。
・・・神ちゃんはさ、なんで俺のとこに毎日来てくれるん?
俺とおっても、楽しないやろ?」
「は?
今めっちゃバカにされた気分になった!!!!
「んなわけないやん!!
何?
俺がしげに会いに来てるんは、嫌々やとでも思ってるん?」
「あ・・・いや・・・そういうわけやな・・・」
「俺は、しげと交代することもできひんし、しげの記憶喪失と事故を無かったことにはできへんけど、それでも、俺はしげを支えたいと思っとるし、早く記憶を戻す手伝いができたらええなっておもとるねん!!」
一息でいっぱい言い過ぎて、息が切れる。
しげが黙りこんでもうた。
「だから、もう二度と、俺に、そういうこと言うんやないで。
もちろん、Aにもやで?」
「ごめん・・・ありがとう。」
「なぁーに謝っとんねん!ほら、リンゴむいたるから食べよ!」
俺は、しげの力に、少しでもなれているだろうか・・・?
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作者名:まるえだまめいんげん | 作成日時:2022年10月4日 16時