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「俺じゃだめなん？」
えっと・・・
それは・・・
その・・・
想いを口にできず黙ったままでいる私を見て神ちゃんは言葉を続けた。
「弱ったところに漬け込んでるみたいやけど、そういうつもりやないねん。
ほんまに、Aのことが好き。
付き合って欲しいねん。
俺は、女子を泣かせることなんてせえへんし、絶対、絶対 幸せにするから。」
次々と言葉を紡ぐ神ちゃんに圧倒されて、またしてもなにも言えずにいた。
そんな私を、困ったような顔で神ちゃんは見つめている。
嬉しい。
嬉しいけど、
やっぱり浮かぶのはしげの顔。
だから・・・・・・
.
「ごめん・・・・・・」
「そっか。
だよな。
うん・・・
なんかごめん。」
「う、ん・・・」
また、沈黙が走った。
「しげ、やろ？」
またしても、神ちゃんには全部お見通し。
「うん。」
「あいつと、竹内さんの噂やってさ、デマかもしれへんで？
本人に、確認したん？」
神ちゃんが私をなだめるように優しく言うから、涙が溢れてきそうだった。
「まだだけど・・・
そっか。そうだよね。」
・
あ、そういえば、しげの記憶が戻ったって、神ちゃんは知ってるのかな・・・？
「神ちゃん・・・」
「んー？」
「しげの記憶さ、」
「あぁ、まだ戻ってないらしいな。」
え・・・・・・？
「っそれ、しげが言ってたの？」
「え、あぁそうやけど、A、どうしたん？」
嘘だ・・・・・・
神ちゃんは嘘ついてるように見えないし・・・
しげが神ちゃんに嘘をついてるの・・・？
それとも、
一番考えたくないけど、
記憶が戻ったっていうのは、嘘だったの＿＿＿＿＿＿＿？
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作者名：まるえだまめいんげん | 作成日時：2022年10月4日 16時
