僕の色彩計画 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:649 hit

2. ページ3

side you

書類の山が残り数枚になった頃、手元が少し明るくなった。窓を見ると太陽が昇り始めていた。また、夜が明けた。

『朝食…。まぁ、いいか。』
書類を進める手を止め、ペンを置く。持つものがなくなった左手をインカムへ伸ばす。書類に集中したくて外しただけで、電源を落としていなかった。そのことを忘れて付けると、コネシマさんとシャオロンさんの声が聞こえた。また二人で騒いでいるようだ。しかもインカムの送信ボタンを切ることなく。そろそろ誰かから怒られそうだなと思っていると
？？「お前らうるさいねん！！今何時やと思っとるん！？せめてインカム切れや、アホ！！」
あぁ、こいつが反応したか。耳の奥が痛い。でも丁度良い。
『ロボロさん。僕、今日朝食いらないんで食堂行きません。連絡お願いできますか？』
rb「あぁ、Aか。わかったわ。伝えとくで。」
『ありがとうございます。』
よし、連絡完了。

幹部になって早5年。やっと敬語と一人称の使い分けに慣れてきた。元々敬語は苦手だけど、幹部の中で一番後輩の私がタメ口なんて使えるはずもなく、毎日勉強と練習の繰り返しだった。敬語って難しいと今でも思う。
一人称に関しては、一人の時が私、誰かの前では僕にしたんだっけ。これは別に性別を隠すとかの目的じゃない。昔から我々国軍は男女問わず軍人になれたからな、珍しいことに。ただ、私って言うとやっぱり弱そうだから僕にしたんだ。俺って選択肢もあったけどしっくりこなかった。
とにかくこの二つについてはどちらも漸く板についてきたな。

昔のことを考えながら身支度をする。さっきは顔を洗ったり髪を整えたりするだけだった。今回は軍服を身に纏い、部屋から出る支度をする。あと1時間半後には訓練開始だから先に行って準備をする。

黒い長めの髪をしばる。所謂一つしばりってやつだ。
それに加えて黒の手袋をつける。武器を装着後、最後にネックレスを付けたら訓練にいく準備は終了する。
幹部は服装が自由だ。だから服装についての大体のことは許容される。私の基本は軍服だ。まぁ、特に訓練などがない日や休日はラフな格好だが。

支度が終わったところで部屋を出て、鍵を閉めた。これも幹部の特権。部屋に書類や武器があるから各部屋に鍵がついている。
『あっ、書類をトントンさんのところに出しに行かければ。今どこにいるのだろうか。』
時計を見るとまだ幹部達は朝食をとっている時間だった。食堂に行って鍵を借りるか。