君の声が聞こえる完 (ページ8)

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就職してから数年後、ジョングクは長い前髪を少し切って、髪を茶色に染めた。そして、目には黒いカラコンをしている。

職場で女の人に会うと、やっぱり相当モテるらしい。(ジョングクの同僚のソンジェくんから聞いた話だ)。

高校の時はみんな根暗だ奇人だなんだ言ってあんまり近寄る人はいなかったのに、ちょっと雰囲気が変わっただけですぐこれだ。

でも、ジョングクは結婚指輪を外すことは一度も無かった。

それがなんだかどうしようもなく嬉しかった。

ジョングクの指を見つめながらにやけていると、突然ジョングクが吹き出した。

JK「…ふ、A感情まる聴こえ」

『え！』

JK「よしよし、今日の夜かわいがってあげるから待っててね」

『え、遠慮しときまっす！』

ポンポンと私の頭を撫でて不敵な笑みを浮かべるジョングクに、私はもうたじたじだった。

そんな風に顔を赤くして俯いていると、ジョングクは突然私の前に一つの箱を差し出した。

『なに、これ』

JK「開けてみな」

『？』

私はとつぜんのことに戸惑いながらも、しゅるっとリボンを解いた。

パカッと蓋を開けると、そこには薄い水色の石で出来たブレスレットが入っていた。

朝日にかざすと、その石はキラキラと輝き、透けた。

あまりに透明度が高いから、ガラスなんじゃないかと思った。

『ジョングク、これ…』

JK「Aにプレゼント。今日誕生日でしょ？」

『ああっ』

すっかり忘れきっていた。

私が声を上げて驚くと、ジョングクはやっぱり忘れてたんだ、という風に苦笑した。

私は嬉しくて嬉しくて、何度もブレスレットを光りにかざした。