君の声が聞こえる完 (ページ4)

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JK「A、ありがとうっ…」

震えた声も、濡れた頬も、真っ赤に染まった教室も、全てが愛しい。

ジョングクくんの真っ直ぐな瞳に見つめられた瞬間、心臓が急速に音を速めた。

骨ばった冷たい指が、私の頬に恐る恐る触れた。

JK「俺は、本当に感情を言葉にするのが下手で、こうやって今、Aの感情が流れ込んできても、お礼すら上手く言えない。だけど、今、どんなことがあってもAを守る自信があるよ」

『っ』

JK「この感情は、Aだけ知ってて…っ、世界中の誰にも分かってもらえなくてもいい。Aだけに伝わればいいよっ…」

狂おしいほど不器用な君の言葉が、体中に染み渡っていった。

能力なんかなくたって、伝わった。

ちゃんと伝わってきたよ、ジョングクくん。

心の中でそう言ったら、ジョングクくんは急に真面目な表情になった。

その口から零れ落ちた言葉は、私の胸を揺さぶるには充分だった。

JK「俺のそばに、いてください」

―――唇が重なり合った瞬間、体内がジョングクくんで満たされていくのを感じた。

窓から差し込むオレンジ色の光は、だんだんと暗くなってきていた。

しんと静まり返った教室が、なぜかあたたかい。

傷だらけの椅子、落書きだらけの机、墨で汚れた君の席。

この教室で私達は始まり、もう一度出会った。

おじいちゃんは微笑んでくれるかな。

きっと私の頭を撫でてくれるはず。

よくがんばったねって。幸せかい？って。

そしたらね、私は心から笑って答えるよ。

おばあちゃんと同じくらい幸せだよって。