美しい君 ページ1
JK「A」
私を呼ぶ声がして、後ろを振り返った。
窓から注がれる夕日の光があまりに眩しくて、その人の顔があまりよく見えなかった。
だけど、誰かは分かっていた。分からないはずが無かった。
『…ジョングク、くん…?』
思わず立ち上がった瞬間、私は椅子を後ろに倒してしまった。
ガタン、という音が教室中に響き、沈黙をつくりだした。
うそだ。嘘だ嘘だ。
これが幻か夢だと言われたら、きっと私はなんと躊躇いもなく信じるよ。
だってもう、ダメかと思っていた。
私じゃおばあちゃんみたいにはなれないって、ずっと、テヨンさんみたいにはなれないって。
だから、ジョングクは私の記憶を消したのかもしれないって。
そう、思っていた。
一人じゃ、不安で。
ただ、ジョングクくんのことを想いながら外の景色を眺めていたら、頬は自然と濡れていった。
JK「…泣いてたの?」
『え』
JK「…ごめんねっ…」
細い綺麗な指がまつげに触れた瞬間、心臓がきゅうって狭くなった。
ちゃんと立っているのかも分からない。ちゃんと呼吸をしているかも分からない。それくらい私は緊張していた。
夢じゃない、夢じゃない、これは。
だって今、ジョングクくんに触れる。私は、私の涙を拭っているジョングクくんの手にそっと手を重ねた。
その温度を確かめた途端、つうっと一筋の涙がまた頬を伝った。
JK「A」
『っ…ぅ』
JK「Aっ…」
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作者名:ぽにょ | 作成日時:2017年3月16日 20時