弐佰弐拾漆) 不安 ページ45
A「よしっ、洗うz...」
水を汲み終わり、
気合い十分で洗濯を始めようとした時
思いがけない人物が視界に映り
開始早々手が止まってしまう
A「...松本先生」
雪村「??」
私の言葉に千鶴も振り返る
雪村「ほんとだ、でも昨日帰ったはずじゃ...」
A「だよね」
しかも、松本先生の後ろを歩いているのは総司だった
やっぱりどこか悪いんだ
あれだけ咳をしてれば体調不良なのは分かるけど
人目につかないように呼び出すなんて...
嫌な予感がする
不安が一気に押し寄せた
・
・
・
・
〜沖田side〜
朝ごはんの時間になって
千鶴ちゃんがAちゃんを部屋に呼びに行った
Aちゃんとは
昨日の一件があって以降会ってなかった
避けてるんだよね
きっと
「君が鈍くなってるんじゃない??」
冗談で言った言葉だった
だから
いつもみたいに軽くあしらうだろうと思ってたんだよ
僕も、一君も
だけど黙ったままだった
少し心配になったから顔を覗き込んでみる
笑っていたけど
その顔は引きつっていた
「...え??」
斎藤「礼龍寺、お前...」
その反応は、僕にとって予想していなかったもので
一君も同じだったらしい
君は誤魔化すように
すぐに僕達から距離を取った
隊士達のところに戻ったら
すでに どこかに行ってしまってたし
昨日の夜ご飯の時間も来なかった
もしかして今日も...
気持ちが落ちて行くのを感じていた時
スパンッ
勢いよく後ろの戸が開く
A「おはよう!!!!」
君の声が広間に響いた
朝ごはんにも来ないんじゃないかって心配してたけど....
...良かった
元気な声とは裏腹に、
隣に腰を下ろした君の表情は
少し疲れているように見える
ジッ
A「何??」
僕はAちゃんのことを凝視しすぎていたみたい
A「昨日のこと??」
その言葉に、一君も手を止めてAちゃんを見た
A「今はご飯中でしょ。話なら後でって言いたいところだけど...今日はちょっと忙しいかな」
A「だから、また今度ね」
少し突き放すような冷たい言い方に、
チリッと胸が痛む
斎藤「礼龍寺、大丈夫なんだな」
A「大丈夫に決まってるでしょ!!」ニカッ
君は満面の笑みで答える
だけど、その笑顔が余計に僕を不安にさせた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時