弐佰弐拾参) 対面 ページ41
井上「礼龍寺くん、ここにいたのかい」
拳が私めがけて放たれようとした時、
部屋の戸が開いて 井上さんが顔を出した
A「あ、井上さん!! ちょうどいいところに!!」
そう言って、私は井上さんの背後に素早く隠れた
土方「源さん後にしてくれないか、今はそいつを...」
A「井上さん、土方さんが怖〜い!!」
井上「いや、それがね...」
そう言って、
井上さんは困ったように笑いながら頬をポリポリと掻いた
A「??」
井上「礼龍寺くんにお客さんが来たんだよ」
井上「とりあえず、門のところで待ってもらっているんだが...」
A「おぉ〜!!」
私は胸の前でパチパチと手を叩く
A「ということで、土方さん...」ニヤリ
A「さらばっ!!!!!!」
私は土方さんに手を振った後、
急いでその場から走り去る
土方「おい!! 待ちやがれ!!」
土方「俺はまだっ....!!!」
後ろから土方さんの怒鳴り声が聞こえてくるけど、
そんなことは気にしない
A「逃げるが勝ちよ!!」
そうして、私は門へ急いだ
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すぐに門が見えてくる
そこにはお千と君菊が立っていた
A「お〜い!!」
私は大きく手を振りながら二人に駆け寄った
藤堂「あっ来た来た」
藤堂「Aに用があるって言うのは、本当みたいだな」
A「うん!!」
A「あ、土方さんには今は近づかない方がいいよ」
藤堂「お前、また怒らせたのか??」
A「怒らせたんじゃなくて勝手に怒ってんの」
藤堂「よくやるよな、ほんと」
呆れる平助を横目に
「じゃあ」
とだけ言い残して、私達は部屋に向かった
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A「千鶴、入るよ」
雪村「う、うん」
部屋の中から千鶴の緊張した声が聞こえる
二人を門まで迎えに行く前に、
千鶴には
「先に部屋に行って待っていて欲しい」
と伝えていた
だから、
この戸を開ければ千鶴とお千、君菊は
初めての対面を果たすことになる
二人も緊張しているのか、少し顔が強ばっていた
A「大丈夫だよ」
そう言って、
二人の背中をポンッと叩いてから 静かに戸を開けた
千姫「こんにちは」ニコッ
君菊「...」ニコッ
先程の緊張はどこへ行ったのやら
二人は和やかな笑みを浮かべていた
ほんとに、役者なんだから...
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時