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弐佰弐拾) 返答 ページ38

そう言ってから、掌の上に氷で菊の花を作り出す







殿丸「渡すの??」







殿丸は差し出された菊の花を咥えながら訊ねる







A「そう、これは私達の間で決めた合図だから」

A「私が菊の花を渡したら、"至急報告がある"ってね」




殿丸「分かった」

殿丸「それじゃあ、私も急いで伝えに行ってくるから」







大きく羽を羽ばたかせて私の周りを一周回ったあと、
殿丸は八瀬の里に向かって飛んで行った




遅くても朝餉の時間までには戻ってくるだろう







A「...綱道さんについての情報も聞く必要があるよね...」







巡察に出た時は、必ず綱道さんの情報も聞き込みをしていた




だけど
桝屋の一件以来、一切情報が手に入らなくなった




それも、何かによって制限されているかのように




綱道さんは千鶴のお父さんだって言うけど、
疑わずにはいられない




正直、
屯所に来たばかりの時に聞いた火事のことも怪しかった







A「"白"...であってほしいなぁ」

A「.....戻るか」







日は登りきって、
辺りはすっかり明るくなっていた














その後、部屋に戻ってすぐに
千鶴が朝餉の支度が出来たと呼びに来た







A「ありがとう、すぐ行くね」




雪村「うん!!待ってるね」







あっ、この前の約束の話

今日だって伝えておかないと...







A「あっ、千鶴!! ちょっと待って!!」







広間に戻ろうとする千鶴を慌てて引き止めた







雪村「どうしたの??」




A「この前の約束、覚えてる??」







私の言葉に千鶴はすぐに真剣な表情になった







雪村「うん、覚えてるよ」




A「そのことなんだけど...」







そこまで言いかけた時、









ピィィィィィイ









鳥が鳴きながら近づいてくる




そして、私の肩にとまった







A「おかえり殿丸」

A「それで、どうだった??」




殿丸「ただいま、ちゃんと伝えたよ」

殿丸「"今日はいい日になりそう"だって」




A「ありがと」







"今日はいい日になりそう"は
承諾の意味


"今日は雨が降りそう"は
何らかの理由で承諾できないという意味


これは、鬼に関しての話題を出す上での暗号


だから
今日の予定は大丈夫だってこと







A「ということで千鶴」







私は殿丸から千鶴に視線を向け直した

弐佰弐拾壱) 視線→←弐佰拾玖) 招待



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時

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