弐佰拾玖) 招待 ページ37
ふつふつと怒りが込上げる
怒っても仕方ないのは分かっているけど...
これはきっと、
私を連れ戻さない二人への怒りではなくて
何も出来ない自分への怒り、そしてもどかしさ
月に帰ることも出来ず
お母様を助けることも出来ず
月は雲に覆われて力は弱まる
このもどかしさや自分への怒りを
どこに吐きすればいいんだろう
チカチカッ.....チカッ
胸元が急に明るくなった
A「...えっ??」
首飾りぼんやりと光っている
そして、フワリと浮いていた
A「どうして急に」
手で包み込むと、弱々しくチカチカと光った
しかし、
瞬きをして 次に首飾りを見た時には
光は消えて いつも通りの首飾りに戻っていた
A「なんだったんだろう...」
ピカッ
眩しい光が差し込む
いつの間にか
太陽が顔を出し始めて、街を赤く照らしていた
A「眩しい」
光に目を細める
A「もう朝...か」
A「あんまり練習しないまま終わっちゃったな」
でもそろそろ戻らないと、
朝早い人達は起きる時間だ
明日、また頑張ろう
A「あっ、千鶴の件...」
禁門の変から先延ばしにしていた 千鶴との約束
昨日までは、お千のところに行く予定だったけど...
私はいいとして、
千鶴も一緒にってなると怪しまれるだろうし
千鶴自身が自分を分かっていない中で
土方さんと近藤さんに外出理由を伝えるには少し無理がある
そうなれば...
A「お千を...呼んでみる??」
私のお客として呼べば
私の部屋で三人で話すことは可能だ
それに
お千には今の状況を、早めに話しておいた方が良さそうだし
私が国に戻ることになれば、
千鶴はお千と君菊に護ってもらうしかない
A「殿丸」
殿丸「はーい」
召喚できるか少し心配だったけど、
無事に私の前に現れた殿丸を見て安心する
A「お千のところに至急伝えて欲しいことがあるんだけど」
殿丸「呼び出されたと思ったら...お使いね」
殿丸「わかった」
殿丸は少し残念そうに頷いた
A「ごめんね」ハハッ
A「新選組の屯所を私の客として訪ねて欲しいって伝えてくれる??」
A「可能なら今日」
殿丸「了解」
A「あっ、ちょっと待って」
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時