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弐佰拾漆) 歪む・伍 ページ35

その音にお兄ちゃんと顔を見合わせた









ドクンッ









鼓動が速くなる




ここに入ることのできる人は限られてる




もちろん星樺妃も入ることができる人物

ということは、あの哀燐っている人も入ってこられるはず









ガサカザッ









再び揺れた茂みに
私とお兄ちゃんは身構えた









ヒョコッ









揺れる茂みから顔を出したのは大きな瞳を持つ生き物









「なんだぁ、蛇だったんだ」









そう言って、胸をなで下ろして近づこうとした時
強い力で腕を引かれる









「お兄ちゃん??」

「ほら、蛇だったよ?? 怪しい人じゃ...」




黒蓮「早く来い!!!!」









安堵した私とは逆に
お兄ちゃんは焦った様子で私の腕を引っ張った




私は腕を引かれるまま走る

















「はぁっ....はぁっ...お兄ちゃんっ!!」

「ちょっと待って....」









背が高くて足が長いお兄ちゃんは
当然私と歩幅も違うわけで

背の低い私は、
ほぼ引きずられるように走っていた









ピタッ









息も絶え絶えになった私にようやく足を止めてくれる









黒蓮「蛇は...何色だった??」




「えっと...黒、かな」




黒蓮「くそっ」









そう言ってお兄ちゃんは壁に拳をぶつけた









「蛇の色がなにか関係あるの??」




黒蓮「...蛇は、星樺妃の契約魔だ」




「えっ...じゃあさっき居たのって....」




黒蓮「あぁ、星樺妃の差し金だよ」

黒蓮「しかも黒蛇は 操ることの出来る蛇の中でも最も位が高い」

黒蓮「もし僕が一緒じゃなかったら、白鈴は殺されてたかもしれない」









予想していなかった身近な脅威に私は息を飲む









黒蓮「とにかく、しばらく部屋から出るな」

黒蓮「僕がいいって言うまで」




「でも、まだ聞きたいことが!!」




黒蓮「今は状況が状況だから無理だけど...話すよ」









お兄ちゃんは大きく息を吸ってから、

私とお姉ちゃんと同じ群青色の瞳で真っ直ぐに私を見た









黒蓮「お前にも.....Aにも」









お兄ちゃんは本気だ




私を真っ直ぐに見つめる瞳には曇りが無かった









黒蓮「約束する」




「約束だよ」









私はお兄ちゃんに抱きついた









「約束...だからね」




黒蓮「あぁ」









お兄ちゃんは私を引き離すことなく、
優しく包んでくれた







〜白鈴side end〜

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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時

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