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弐佰拾壱) 休憩・弐 ページ25

A「それじゃあ皆、手洗ってきて!!」




私の言葉を合図に、
皆は競い合うように井戸まで走り出す




A「そんなに急がなくても、おにぎりは逃げないってば...」




そして暫くすると、再び足音が聞こえる




ダダダダッ




その足音は地響きと共に近づいてくる




永倉「俺が一番だ!! 手洗ってきたぜ!!!!」




A「はいはい」

A「じゃあ新八さんから順番に並んで...」

A「好きなの取っていってね」




永倉「Aちゃん、ありがとよ!!」




新八さんを先頭に作られた長い列が短くなるにつれて
お盆の上に乗せられたおにぎりも 一つ二つと減っていく




原田「掃除で疲れてるだろうに飯まで悪ぃな」




佐之さんは
「ありがとう」
と言って私の頭をポンポンと撫でる


こういうことをサラッとやってしまうあたりが
女性から好感を持たれる理由なんだろうなと思う


私からしたら"お兄ちゃん"の方がしっくりくるけどね




原田「どうした??」




私は気づかないうちに佐之さんの顔を凝視していたらしい




A「何でもないよ〜」




原田「ならいいんだけどよ」




さてと、
ここの人達には行き渡ったし...

一くんと総司のところに行きますか!!









A「皆〜!! おにぎり休憩はいかが??」




私は先程と同様に声をかける


拭き終わった障子を直していた隊士達が一斉に振り向く




斎藤「...礼龍寺か」




A「おにぎり、どう??」

A「千鶴とか隊士の人も一緒に作ってくれたんだけど」




斎藤「確かに朝から休憩を取っていないな」

斎藤「よし、今から少しの間休憩の時間を取ろう」




A「あれ、総司は一緒じゃないの??」




斎藤「総司なら...」




一くんがそう言いかけた時、




沖田「なに??」




背後で総司の声が聞こえた




A「総司、最近は私を驚かすのにハマってるの??」




稽古の時といい、今といい
最近はひょっこりと現れることが多い


それは咳を隠すために
どこかに行って
初めからそこに居たかのようにふらっと戻ってくるのか


私が.....気配を感じられていないのか


それとも、その両方か





沖田「別に気配も消してないし普通にしてるんだけどな」

沖田「君が鈍くなってるんじゃない??」




ドキッ




総司は冗談みたいに笑っているけど

それに返した私の笑みは
だいぶ引きつっているものだったのだろう


すぐに総司の顔から笑顔が消えた

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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時

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